法人税・消費税~「中間申告書」って本当に出さなきゃだめ?

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

先日、とある町役場から電話がかかってきました。

「A社さん、予定申告の納付はされてるのですが申告書が出ていません。」

そもそも私のクライアントで出しているところはありません。

一通り説明すると「勉強になりました」と言われましたので。

あれ、実は以外に知られてないのかなと思い、細かい話ですが記事にしました。

-shared-img-thumb-SAYA160312550I9A3361_TP_V

中間申告書の「みなし提出」規定

消費税、法人税、地方税、すべての中間申告の規定には。

いわゆる「みなし提出」と呼ばれる規定があります。

消費税法第44条

(中間申告書の提出がない場合の特例)
第44条 中間申告書を提出すべき事業者がその中間申告書をその提出期限までに提出しなかつた場合(第42条第11項の規定の適用を受ける場合を除く。)には、その事業者については、その提出期限において、税務署長に同条第1項各号、第4項各号又は第6項各号に掲げる事項を記載した中間申告書の提出があつたものとみなす

法人税法第73条

(中間申告書の提出がない場合の特例)
第73条 中間申告書を提出すべき内国法人である普通法人がその中間申告書をその提出期限までに提出しなかつた場合には、その普通法人については、その提出期限において、税務署長に対し第71条第1項各号(前期の実績による中間申告書の記載事項)に掲げる事項を記載した中間申告書の提出があつたものとみなして、この法律の規定を適用する。

地方税法第72条の26

5  第一項に規定する法人(第七項本文の規定の適用を受けるものを除く。)が同項に規定する期間内に申告納付しなかつた場合においては、当該法人については、当該期間を経過した時において、事務所又は事業所所在地の道府県知事に対し同項本文の規定により提出すべき申告書の提出があつたものとみなす。この場合においては、当該法人は、当該申告納付すべき期限内に、その提出があつたものとみなされる申告書に係る事業税に相当する税額の事業税を事務所又は事業所所在の道府県に納付しなければならない。

提出しなかった場合には提出があったものとみなす??

ぱっと見ると不思議に感じますよね。

中間申告の二つの方法-前年度実績と仮決算

実は中間申告には2つの方法があります。

1つは、通常皆さんがなさっているとおり。

要は昨年の税額の半分を前払いする、前年度実績による計算方法

(中間申告が複数回ある場合はその回数で)

もう1つは、中間申告の期間、半年で仮決算を組んで。

実際に当年度のその期間分の税額を計算して納付する、仮決算による方法

有利な方を選択することができるのですが。

よっぽどの前半赤字、後半追い込み型企業だったり。

上半期に超大幅な赤字を計上したり設備投資をしていない限り。

手間も考えて前年度実績による方法でなさることと思います。

-shared-img-thumb-GAK88_nekokafeneko_TP_V

それをふまえて、この「みなし申告」の規定は。

仮決算で中間申告したいなら申告期日までにやってください、

申告期日までに何もしなかったら、前年実績の中間申告で金額計算しますよ

という規定です。

「中間納税してないでしょう、早く納めて下さいよ!」

と税務署から納税者に指摘した際。

「いや、仮決算でやろうと思っていて…ちょっと遅くなってるんですけど、

どっちみち今期前半は業績ひどいんで税額0ですよ」

などと言い訳するのを許さないための規定だと思われますが。

結果的に、

「何も出さなければ前年度実績を選択して申告書を出したとみなす」

規定になっています。

「みなす」ですから、提出した場合とまったく法律効果は変わりません。

前年度実績で中間申告、いわゆる予定申告を行う場合には。

申告書を提出しようとしまいと何も違いはないのです。

何も違いがないのなら。

記入の手間も提出の手間もかからない方が良いに決まっていますので。

私の事務所では全く予定申告書は出していません。

もっとも、出さなければ出したことになるわけで。

その提出期限が税額の納付期限ですから。

納付まで忘れますと延滞税や加算税がかかってしまいます。

申告書を提出する必要ありませんが。

納付は忘れないようにしましょう。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする