法人医療保険(短期払い終身保険)を使った節税

比較的最近のニュースです。
法人がん保険の全額損金が平成24年4月27日の通達により認められなくなったのは有名です。
ですが、その通達の中に
例外的取扱い
「保険契約の解約等において払戻金のないもの…である場合には…
保険料の払込の都度当該保険料を損金の額に算入する。」
という一文がありました。
一部の保険会社が、「有期払いの医療保険で解約返戻金がごく少額の契約」。
これについて上記がんと同様の経理処理が出来ないかを国税局に照会した結果…
全額損金の取扱いで問題ないとの回答を得たそうです。

Yesterdays news / (Mick Baker)rooster
「解約返戻金が無い」ということは、節税には使えないように一見思えます。
でもちょっと考えてみてください。
法人を使った節税の考え方に
「個人で支払っていると経費にならないものでも、法人では経費になるもの」
を利用する、というポイントがあります。
自宅を社宅にして一部経費にしたりするのはその典型ですね。
医療保険、掛けていない社長さんはおられないのではないでしょうか。
でも個人では8万円かけてようやく4万円が所得控除として認められるだけですよね。
しかも、終身払込タイプですと。
引退後、役員報酬がなくなった後も個人で掛け続けなければなりません。
これを法人で有期で払えて保障は一生涯、しかも全額損金であればどうでしょうか。
仮に、50歳で月々5000円、年間6万円。
終身払込の医療保険を個人で掛けておられる社長さんがいるとします。
仮に80歳まで掛けるとするとこれから先生涯の払込額は180万になりますね。
これと同じ保障で50歳から60歳まで有期払いの終身保険が150万で掛けられるとします。
(保険会社は運用しますから、前払いするタイプの保険はたいてい支払総額は安くなります)
これを法人で掛けると、年間15万円ずつ経費にできるわけですね。
個人で6万円かけた場合の生命保険料の控除はわずか3万5千円です。
単年度の節税額で見ても効果がありますが、もう一つのメリットは引退後です。
法人を退職するタイミングでこの保険を個人が承継します。
払込みは済んでいますからもう保険料の負担はありません。
もし病院にかかった場合には、終身、保険の給付を受けることができます。
「個人で生涯払わなければならない保険を法人で前払いして、経費にできる」となると、これはまさに
「個人で支払っていると経費にならないものでも、法人では経費になるもの」ですよね。
もっとも、法人で契約を持っている間の保険給付は法人の雑収入になります。
全額を無税で社長に渡すことはできない場合がある、などのデメリットもあります。
現在は解約返戻金0の保険の時価は0円ですが、将来永遠にこの取り扱いが続く保証はありません。
活用の際は、是非、専門家にご相談下さい。

