【成年後見制度】成年後見人をつける3つのメリットと誤解

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前回の記事で「親族が申し立てをしても第三者が後見人になる」

ケースが増えていることを書きました。

それでも後見人をつけることにはどんなメリットがあるのでしょうか。

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成年後見制度のメリット①恒久的に国が本人のお世話をしてくれる

この制度のまさに本来の趣旨です。

一人暮らしになったおばあちゃん。

残念ながら子供たちはみんな遠方に住んでいる上に仕事もそれぞれの家族もあって、

同居や近所に住んでのお世話は難しい。

80を過ぎて、認知症が進行しているおじいちゃんの世話をしているおばあちゃん。

残念ながら子供がおらず2人暮らし。

先に自分が死んだら、夫はどうなるんだろう…と不安。

こんなケースで成年後見制度は大きな威力を発揮します。

残っている財産や年金収入、公的制度を上手に活用して。

生涯、後見人が当人のお世話を引き受けてくれるわけです。

しかも、もし後見人の方に万が一のことがあった場合。

家庭裁判所は、親族の申し立てか、又は職権で。

新しい成年後見人を選任してくれます。

つまり生涯、「お世話をする人が誰もいなくなる」という状況を回避できるわけです。

成年後見制度のメリット②代理により法律行為が行えるようになる

申し立ての理由でもっとも多いのはこちらの理由です。

介護の費用がかさむので定期預金を解約したい。

同じ理由で不動産を処分したい。

施設への入居契約をしたい。

なんということはない行為に思えますが、これらも立派な法律行為です。

そして、法律行為には相手がいます。

例えば皆さんが不動産をこの方から購入する立場だったらどうでしょうか。

購入した後になって、

「母が認知症であることにつけこんで安く不動産をだまし取った!」

とか、親族から訴えられたりしたらたまりませんよね。

悪徳業者はまさにそこにつけ込んでいるわけですが。

良心的な業者は、そもそも判断力があやしい方との契約は行いたくても行えません。

ですから認知症が疑われる状態になってしまうと。法律行為は行えなくなるわけです。

しかし成年後見人が登記されていれば。

良心的な業者さんも、「代理権」を登記によって保証されている後見人に確認を取ることで。

法律的にも安心して取引が行えるわけですよね。

ですので、介護施設の入居などの条件として。

成年後見人がついていることが求められる場合すらあります。

成年後見制度のメリット③騙されてさせられた契約を取り消せる

判断力が低下して、自分と自分の財産を守れなくなった方。

そんな方を大事に見守る人ばかりであれば本当に住みやすい世の中ですが。

実際はその守れない財産を狙って悪質な業者が押し寄せてきます。

高齢者が次々に全く必要のない高額商品を買わされたり。

あからさまな詐欺の被害にあったりするケースは後を絶ちません。

後見人には「代理権」だけでなく「取消権」も付与されます。

ですので、本人が騙されて行ってしまった契約を後から取り消すことができます。

成年後見制度に対する誤解

このように本人を保護するために大きなメリットのある成年後見制度。

本来の趣旨である①の「判断力の低下した本人のお世話を後見人に依頼する」

という面をを理解した上で、そのために利用されることが多ければ良いのですが。

実際には②の「契約を行えるようになるために」やむを得ず後見人を付けることが多いために。

なんだか面倒くさくて不便な制度と思われてしまいがちなのかもしれません。

本来「代理権」は当人の保護のために必要なので付与されている権利であって。

それだけを目的にするとおかしなことになるのですよね。

遺産分割協議や施設の入居などのためにどうしても後見人(代理人)が必要なので。

とりあえず「今」だけ後見人をつけて、それが済んだら元に戻せませんか。

と言われる親族もおられるようです。

でも「今」後見人が必要ということは、もうすでに自分を守れる判断力がないわけですよね。

普通、その後劇的に回復することはないですから。

もうこれからずっと保護を必要としているわけです。

その方の後見人を外す、というのは。

何をどう考えても。

少なくとも本人のためにはならないのではないでしょうか。

では、誰のために外したいのでしょうか。

今回の記事では成年後見制度のメリットについて考えてみました。

次回の記事ではデメリットについても考えてみたいと思います。

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