経営の数値目標~「キャッシュ残高」の目標をお勧めする理由【吉野家HD】

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「売上高10億円」とか「純利益1000万円」など、経営の数値目標を持つのは良いことです。

「売上高」は目標にされても「純利益」は目標にされない経営者様もおられます。

以前の記事で書いたように、誤った前提に基づいてなのですが。

「とにかく法人税を払いたくないから利益は出ない方がいい」と考えておられる方。

そのタイプが多いように思います。

この場合、目標は「利益」ではなく「売上高」になります。

でも本来は「利益」を出すために「売上」を上げるはずですよね。


吉野家 藤が丘店 (Yoshinoya Fujigaoka store) / Dakiny

「売上」だけを目標とすることのデメリット

「売上」だけを目標にしておられて「利益」を目標にしておられない経営者様の会社。

やはり利益は出ません。

多少売上が上がっても、経費をコントロールする目標や感覚がありません。

すぐ無駄なところにお金は流れて行ってしまいます。

売上を上げるために多店舗展開等、投資はされます。

貸借対照表の資産の部は膨れ上がっていきます。

でも利益は出ていませんから資本の部は膨らみません。

負債の部ばかりが膨れ上がっていきます。つまり借金が増えていきます。

自己資本比率がどんどん下がっていきます。

右肩上がりの時はこれで良いのです。

でもわずかでも売上が落ちたら。

自己資本なし、キャッシュなし、あるのは借金だけですから、即資金ショートです。

企業の将来、自分と家族と従業員の将来を真剣に考えられると。

やはり目標は「売上」ではなく「利益」になるはずです。

しかしこの「利益」、どれくらいを目標とすべきでしょうか。

目標には理由や裏付けが必要です。

吉野家HD 安部修仁社長の名言

米国産牛肉の輸入停止で経営危機に陥った時。

そのことを回想した、吉野家ホールディングスの安部社長の言葉です。

「2から3年は商売しなくても、社員の給料は払えます。

手元流動性が高い形で資産を持っていると、いざというとき時間が稼げます。

牛丼販売停止のあと、

デッドストックを出しつつも新メニューを軌道に乗せることを優先できたのは、

キャッシュを潤沢に持っていたからです。

つまりそれをやらなきゃ死んじゃうというとき、

赤字を出してでも生命の維持・継続に集中できる。」

2.3年商売しなくても社員の給料が払えるほど、キャッシュを留保しておられたのですね…

この経営姿勢があってこそ、吉野家は危機を乗り切れたのだと思います。

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○○年、営業しなくても自分と家族と社員を守れるキャッシュ

経営の数値目標としていかがでしょうか。

「1年間、売上が0でも会社を維持して自分と社員に給料が払えるキャッシュを確保する」

個人事業主様であれば、

「1年間、売上が0でも事業の固定費と家族の生活費が払えるキャッシュを確保する」

長い目で見た場合、キャッシュを増やすには。

とにかく税引前で利益を出して、税金を支払って、その残りをため込む以外に方法はありません。

借金したり、支払サイトを遅らせたりしてため込んだキャッシュは遅かれ早かれ出て行きます。

売上高1億円、経費がほぼ固定費で当期純利益が1000万の企業様でしたら。

売上高が0でも出ていく費用は1年で9000万円です。

運転資金以外で9000万円。

キャッシュで持っていれば、1年間売上が0でも社員に給料が払えるということです。

2.3年では無理でしょう。

仮に10年後にその状態を目指そうとすれば、

「毎年税引後で900万円のキャッシュが残る利益を出す」

が毎年の目標になります。

目標はわかりやすければわかりやすいほど、達成しようという意欲が出ます。

「1年事業が完全にストップしたとしても、自分と家族と従業員を守れるだけのキャッシュを確保する」

わかりやすくて良い目標だと思われませんか。

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