それ、外注費で大丈夫ですか?【外注費と給与の境目】~税務調査でもめやすい項目

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建設業やソフトウェア業、美容業などで多いケースです。

一人親方やフリーランスに仕事をお願いして「給与」ではなく「外注費」で処理します。

これが税務調査で「これは給与でしょう!」と指摘されたらどうなるでしょう。

「源泉徴収漏れ」「消費税仕入税額控除過大」のダブルパンチを受けます。

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「外注費」ではなく「給与!」と指摘を受けた場合の“被害”額

例えばフリーの一人親方に1年間ずっと来てもらって、月平均40万渡していたとします。

消費税、本則課税で納めていました。

調査で「給与!」と指摘されました。どれくらいの追徴になるでしょう。

まず、源泉税の徴収漏れ金額です。

40万(乙欄)→ 8万2900円×12月=99万4800円

続いて消費税の追徴額です。

40万×5/105=1万9047円→1万9047円×12月=22万8564円

合計 122万3364円!

これはひどいことになりますね

この上、延滞税・加算税もかかります。

この方が1年だけでなく調査の対象期間3年間ずっと来られていたら…

3年分まとめて認定されたら…

もはや考えるだけで恐ろしくなります。

そもそも「外注費」と「給与」はどう区別する?

基本的な考え方から申し上げますと、

・請負契約に基づくものは「事業所得」として「外注費」

・雇用契約に基づくものは「給与所得」として「給与」

と処理することになります。

「外注費」なら源泉徴収の必要がなく、消費税の計算上消費税分は控除できます。

「給与」だと源泉徴収の必要があるうえ、消費税の計算上も控除ができません。

雇用しているということになると社会保険の加入のこともあります。

ですので、中小企業では、実質的に雇用しているような状態でも。

形式上は外注先としていることも多いわけです。

「外注費」と「給与」。税務調査でもめやすいのはなぜ?

特に冒頭で書いたような業種では。

自社の従業員でさばける量の仕事はさばきますが、忙しい時応援を呼んだりします。

中にはそんな風にして常時呼ばれる方が出てきたりします。

いつの間にか毎日になっています。

応援で呼ばれるのですが、している仕事は他の方と何ら変わりません。

ですが、身分だけは応援、「外注」のままで、ずるずると時が過ぎていく…

こうなると完全に「給与」の社員と見分けがつかなくなります。

この状態で税務調査が入りました。

国税側は、単に雇用契約の書類があるかどうかではなく、通達によれば

一定の事項を「総合勘案する」ことにより判定することになっています。

ここで「給与」と判定されてしまうと、上に書いた恐ろしい事態となってしまいます。

「総合勘案する」条件とは何でしょう。

国税の親切なところは通達を公表してくれているところです。

「調査官によって基準が違う」などと言っていては解決になりません。

早速確認してみましょう。

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「外注費」か「給与」か判断する条件~国税の通達を確認しましょう。

平成21年12月17日付課個5-5「大工、左官、とび職等の受ける報酬に係る所得税の取扱いについて」

平成21年の通達です。

「大工、左官、とび職等」となっていますが、原則は様々な業種でも参考になると思います。

こちらによると、判定の基準としては、

① 他人が代替して業務を遂行すること又は役務を提供することが認められるかどうか。

→当人が拘束されているなら実質従業員、給与、ということですね。

② 報酬の支払者から作業時間を指定される、

報酬が時間を単位として計算されるなど時間的な拘束を受けるかどうか。

→仕事に対する対価ではなく労働時間が対価なら給与、ということですね。

③ 作業の具体的な内容や方法について報酬の支払者から指揮監督を受けるかどうか。

→自分の責任で仕事をしているなら外注、指示された作業だけしているなら給与、ということですね。

④ まだ引渡しを了しない完成品が不可抗力のため滅失するなどした場合において、

既に遂行した業務又は提供した役務に係る報酬の支払を請求できるかどうか。

→仕事の引き渡しが条件なら外注、労働時間さえあれば支払なら給与、ということですね。

⑤ 材料又は用具等を報酬の支払者から供与されているかどうか。

→経費を自分でもっていれば外注、経費を会社にもってもらっていれば給与、ということですね。

このあたりを調査官が見るわけです。

であれば、逆に「外注費」と指摘されないためにはどうしておくべきでしょうか。

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「外注費」を「給与」と認定されないために

まず書類をきちんと整えておきます。

理想としては、作業現場ごとに請負契約書を作成して、上記の内容について記載します。

その上で。

会社が代わりに書いたりはせず、きちんと当人に請求書を出してもらいます。

なにしろ一事業主として外注しているのですから。

請求書の内容は、

「●月●日 ○○時間 ×単価」というような書き方はせず、

「○○現場 ○○施行代」というようにします。

労働時間ではなく、仕事を発注しているのですから

他に従業員さんがいるなら、支払日も従業員さんの給料日と同日ではなく。

外注さんや仕入先さんの支払日と同じにしましょう。

従業員ではなく、外注先なのですから

このように、特に指摘されそうな外注先さんの場合には。

疑われそうな要素を前もって摘んでおくことで。

税務リスクを下げることができるのではないでしょうか。

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