【年末調整担当者必見】給与加算の可能性がある10の項目(まとめ)

きちんと経理で【節税】

日に日に寒くなってきました。

税務署から年末調整関係書類の封筒が送られてくる季節です。

今年の源泉徴収漏れがあれば、是正する最後のチャンスです。

漏れやすい項目についておさらいしておきましょう。


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1.通勤手当・通勤定期券など

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非課税として支給して良い範囲は次の通りです。

WS000000

 

「これを超えて通勤代を出してはいけない」 ということではありません。

でも、

非課税では出してはいけないので給与に含めて源泉徴収しなさい」

ということですよね。

 

社長の一存で、「マイカー通勤者には一律月5000円」などと決めている場合。

通勤距離が片道2Km未満の人は全額給与。

8Kmの人は、4100円までが非課税で旅費交通費ですが。

900円は給与になるということですよね。

 

「合理的な運賃等の額」には。

新幹線などの特急料金は含まれますが、グリーン料金は含まれません。

通達でこんなことまで決まっているのですね。

 

2.食事代

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支給する役員や従業員から「半額以上」徴収していれば非課税でOKです。

ただし、一人あたり会社の月間負担額が3500円以下でなければなりません。

月20日出勤の従業員に毎日昼食を出そうと思ったら。

1食を350円以内にして、なおかつ当人から1食175円以上徴収すれば。

月間の食事代が7000円、当人から3500円徴収で会社負担が3500円です。

ギリギリOKですね。

逆に言えば、このラインを超えて支給していたら。

「現物給与」として源泉徴収の必要があります。

 

3.制服代

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いわゆる「制服」については非課税でOKです。

ただし、

①仕事場で着るもので、私用には着ない、着れないもの

②事務服等の支給が、その職場の全員を対象として行われるものであること

③それを着用する者がそれにより一見して特定の従業員であることが判別できるものであること

であることが条件になっています。

 

例えば、女性社員には会社のロゴ入りの制服を支給。

男性社員には背広を支給している会社があった場合。

女性社員の制服は、よそで着れませんし、その会社のもの、とわかります。

でも男性社員の背広はプライベートでも着れますよね。

この場合、女性社員の制服は非課税でOK。

男性社員の背広は「現物給与」として課税です。源泉徴収の必要があります。

 

4.結婚祝、葬祭料、香典、見舞金

税務調査でトラブルになりやすい書き方で通達に書いてあります…

「その金額が社会通念上相当と認められるものであれば、課税されません。」

難しいですよね。

 

例えば結婚祝い。

社長様、経営者様ともなると、あまり少ないと「ケチ」と思われたり。

業績、思わしくないのかな…などと勘繰られても困ります。

創業の時から右腕として頑張ってきてくれたスタッフなら。

普通の倍くらいは渡したいと思うこともありますよね。

ただでさえ、どれくらいにしようか迷うところなのに、こんなことまで気にしていては大変です。

 

ですが、やはりあまりに高ければ指摘される可能性もあります。

何らかの相場をもとに、説明できるようにはしておいた方がよさそうです。

 

5.永年勤続記念品

長年頑張ってくれたスタッフに旅行・記念品等をプレゼントする場合。

①金額が勤続期間等に照らして、社会通念上相当と認められること。

②表彰が、おおむね10年以上勤務した人を対象としていること。

③2回以上表彰を受ける人については、おおむね5年以上の間隔をおいて行われること。

の条件を満たせば非課税でOKです。

 

…①の「社会通念上相当」がまたイヤですよね。

相場が何かあればよいですが。

そして、10年。結構長いです。

勤続5年くらいで表彰している職場は「現物給与」で課税です。

 

6.商品、製品等の値引販売

商品のスタッフへの割引販売。社員割引。ありますよね。

これも、上限が決まっています。

①値引販売の価額が、使用者の取得価額以上で、

しかも、通常他に販売する価額のおおむね70%以上であること。

②値引率が、役員や使用人の全部について一律に、又は合理的に定められていること。

③値引販売をする商品等の数量が、

一般の消費者が家事のために通常消費すると認められる程度のものであること。

①は、赤字で売ってはいけない、値引きは3割まで、ということ、

③は、従業員がそれで商売できるほどに大量にやってはいけない、ということですね。

 

アパレル業界などの社員割引は「半額」もめずらしくありません。

その場合、7割までの差額については。

給与計算上支給した形にして、現物給与として控除しなおすのが一般的です。

大手はきっとそうしているでしょうから大丈夫だと思いますが…

個人で開業したばかりのアパレル業界の経営者様、是非気を付けてください。

 

7.従業員社宅

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食事・社員割引などと考え方は似ています。

一定額以上、従業員から適性な家賃の50%以上徴収していれば非課税でOKです。

ただ、その「適性な家賃」の計算が若干面倒です。

次の金額の合計額となっています。

(1) その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×0.2%

(2) 12円×(その建物の総床面積(平方メートル)/3.3(平方メートル))

(3) (その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×0.22%

何だかややこしいですね。

でもよく見ますと、(2)は相当安いです。

150平方メートルの家でもたったの500円くらいです。

ですのでこれをほぼ無視して考えると。

その物件の固定資産税の評価額×0.2%強

が「適性な家賃」ということになりますね。

評価額1000万の物件で約2万円。安いですよね。

この半分、従業員から徴収してさえいれば非課税でOKです。

 

ただ、これを計算しようと思いますと、固定資産税の評価額を調べなければなりません。

自社所有の社宅なら良いのですが、借り上げ社宅の場合。

調べるのが大変です。

ですので、実務上は借りている家賃の50%従業員から徴収としている会社も多いようです。

先程の計算結果よりも安い金額で。

会社が大家さんから借りていることはまずないでしょうから。

 

8.役員社宅(小規模住宅)

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役員社宅の場合、少し計算が特別になります。

まず、その社宅が

①小規模住宅(従業員社宅と同じ程度のもの)

②大きな住宅(①以外のもの)

③豪華社宅(とんでもなく贅沢なもの)

のどれに該当するかを確認し、その上で「適性な家賃」を計算します。

 

まず、「小規模住宅」に該当するかどうかは単純に床面積で判定します。

①建物の耐用年数が30年以下の場合…床面積が132平方メートル以下

②建物の耐用年数が30年を超える場合…床面積が99平方メートル以下

であれば小規模住宅です。

マンションなどの場合は、共有部分の面積の持分も含みますので注意してください。

 

この「小規模住宅」の場合。

計算式は上の「従業員社宅」と全く同じで構いません。

おおむね物件の評価額の0.2%、とイメージしておけば良いと思います。

2000万の物件で月額4万円ですね。

この分徴収していれば非課税でOKです。

 

9.役員社宅(小規模でない社宅の場合)

8.の小規模住宅より床面積が大きい役員社宅の場合。

計算式が変わります。

(1) 自社所有の社宅の場合

次のイとロの合計額の12分の1

イ (その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×12%

 ただし、建物の耐用年数が30年を超える場合には12%ではなく、10%を乗じます。

ロ (その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×6%

(2) 他から借り受けた住宅等を貸与する場合

 会社が家主に支払う家賃の50%の金額と、

上記(1)で算出した賃貸料相当額とのいずれか多い金額

12分の1というのが上についているので少し見にくいのですが。

要は、建物の固定資産税評価額の1%。

土地の固定資産税評価額の0.5%。

その合計ということですよね。

仮に建物と土地の価格がほぼ同じであれば、物件の評価額の0.75%になります。

 

先程の小規模社宅では物件の評価額の0.2%強、でした。

かなり小規模社宅が優遇されていることがわかります。

 

社長様の社宅を会社で探す場合。

床面積が「小規模住宅」で収まるところを探すことで、節税効果が大きくなりますね。

かなり広い、贅沢な物件なら優遇は少なくするよ、ということでしょうか。

では、とんでもなく贅沢な場合はどうなるでしょう。

 

10.役員社宅(豪華社宅の場合)

豪華社宅とは次のいずれかのようなものです。

①床面積が240平方メートルを超えるもののうち、

取得価額、支払賃貸料の額、内外装の状況等各種の要素が豪華なもの。

②プール等や役員個人のし好を著しく反映した設備等を有するもの。

ここまで行くと、特に税務上優遇する余地もないということでしょうか。

「適正家賃」は時価(実勢価格)となります。

もし誰かから借り上げて社長様に貸しているのなら。

大家さんに払っている金額全額、社長様に負担して頂く必要があります。

 

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