税務署にまだ行かれたことのない方、「税務署」に対してどんなイメージをお持ちでしょうか。
何やら取り立て屋みたいな、怖い役所… でしょうか。
実は税務署は、(私の感想としては)非常に感じの良い行政機関です。
税務署はどんな役所?
税理士は月に一回税務署との会合があります。
また、税務調査以外にも、
・税務署主催の説明会の講師
・確定申告期の税務支援
・学校を対象とした租税教室の講師
等で、ご一緒に仕事をすることも多くなります。
私も開業するまで「お役所」「融通が利かない」「偉そう」というイメージを持っていたのですが、
実はたいていの税務署員さんは非常に感じが良いです。
ある統括官が言っておられました。
「他の役所はたいていお金を出す側ですよね。自分たちはお金を頂く側ですから。」
確かに言われてみればその通りです。
法に基づいた徴収ですからサービス業のようにとはいきません。
でも丁寧で常識的な対応をしていた方が徴収もスムーズでしょう。
そんな風に、役所の中では比較的丁寧で親切なところです。
悪いことさえしなければ…
ですので、面倒がらずに、まず開業したら届けを出しましょう。
開業届は本来1か月以内に提出することになっていますが。
こちらは遅れたとしてもさほどデメリットはありません。
しかし、2月以内に提出しないと大きな損をする書類があります。
開業届と一緒に最低限出しておくべき書類
■所得税の青色申告承認申請書
ちまたでは「青色がいい」とか、「別に白色でもいい」とか、いろいろな意見の方がおられます。
結論から言いますと、白色でも良い人は
・最初から納税する気のない確信犯の脱税者さんと
・儲けが年間(月ではありません)40万前後、しかも他には収入無しの方
のみです。
まっとうに商売をされて、家族を養っていこうと考えておられる方で「白色で良い人」はいません。
白色で良いということは、青色申告の65万控除がいらないということです。
月に10万円しか儲けが無くても、白色申告で他に何も控除が無ければ
120万円(年間の儲け)-38万円(基礎控除)=82万円(課税所得)
82万円×約15%(所得税・住民税率)=約12.3万円
所得税、住民税合わせてかかります。
65万円控除があれば、これが約10万円違ってきます。
月に10万円の儲けの方ですら、青色65万控除が必要なわけです。
家族を養っていこうという方はその収入ではどうにもならないでしょうから。
どう考えても不要なはずはありません。
この届出、開業してから2カ月以内に提出しないと初年度は白色になってしまいます。
65万控除は使えませんし、初期投資のかかる業種の場合、赤字も繰り越せません。
税務署は親切ですが、法に基づいて執行しますので、提出期限が遅れれば受理はしません。
2カ月以内、必須ですね。
■青色専従者給与に関する届出書
専従で事業を手伝ってくれる奥様や子供さん、親御様がおられる場合に必須です。
これを出していなければ、その方に払う給料が経費になりません。
■給与支払事務所等の開設の届出書
給料を支払う従業員さん、又は上の専従で手伝ってくれるご家族がいる場合、提出です。
「源泉徴収」なんて、面倒くさい響きですね。
でも、小規模でさほど利益の出ない事業主様のところでも。
源泉漏れの追徴は大きな金額になることがあります。
開業したばかりでも、面倒くさがらずに。
給与計算の仕方だけは、覚えられることをお勧めします。
■源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
本来は、毎月従業員さんの給与計算の際、天引きした所得税を翌月国に納めます。
この届けを出しておくと。
納付が毎月(年12回)から年2回にまとめられて手間が減らせます。
従業員が常時10人未満であること、という要件がクリアできているのであれば必須です。
開業当初は忙しいです。
新規の営業、まだ慣れていない業務、人の管理、役所回り…
あっという間に2カ月は経ちますが、その間にも後々損をしかねない、届出の期限がやってきます。
是非、開業前か直後。
一度専門家に相談されることをお勧めします。
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