【経営者様の相続対策】~赤字累積法人への貸付金をどうする?(2)

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【実際ありもしない利益】から役員報酬を払って。

払わなくていい所得税・住民税・社会保険料を払い続けたうえに。

今度は【実際ありもしない貸付金】から。

払わなくていい相続税まで払わなければならなくなるのではたまりません。

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本来そうならないように資金・損益の管理をすべきです。

でも、もうすでにそうなってしまっている場合どうするか。

対策を考えてみます。

1.社長の報酬を落とし、代わりに借入金を返済

この対策で良い前提は、

・事業はきちんと収益を生んでおり、社長にある程度資金を渡せる

・まだしばらく使える繰越欠損が十分に残っている

・相続までにまだしばらく時間の余裕がある

比較的余裕のあるケースです。

社長の借入金は、すでに課税済みの社長の債権です。

本来放棄するのはもったいない話です。

一度所得税等を負担してせっかく社長に渡したものを。

法人に戻してもう一回法人税を掛けるようなものですから。

今まで月に80万役員報酬を支給していて、現状5000万円借入金があるのなら。

月に10万の役員報酬に落として月々70万づつ借入金を返済すれば。

社長の生活には影響ないはずです。

そして借入金は6年ほどで解消できます。

事業が収益を生んでいますから、役員報酬を下げれば法人利益は出ます。

ここで使える繰越欠損があれば、税負担なしですむわけです。

2.社長が貸付金を債権放棄する

この対策を必要とするケースは、

・繰越欠損は残っているものの間もなく期限が切れる

・社長の年齢も高く、極力早く対策してしまいたい

場合です。

上に書いた理由で、本来せっかく所得税を負担して社長に移転したものを。

もう一度法人に戻すわけですからもったいない話です。

そして、債権放棄した金額。法人は「債務免除益」として利益になります。

本来、社長への借入金を返済するには、法人が資金を作らねばなりません。

資金を作るには利益がいります。

繰越欠損の期限が切れてしまったら。

普通に法人税がかかりますから、返済できるものもできなくなります。

それくらいなら。

繰越欠損があるうちに、返せる(消せる)だけでも減らしておきたいものです。

3.会社を清算してしまう

この対策のケースは、

・使える繰越欠損がない

・その法人が消滅しても困らない 場合です。

前の記事で書いたように、一つの法人で営業していたにもかかわらず。

どうにもならないほど社長の貸付が膨らむケースはまれです。

たいていは複数所有の法人でどんぶり勘定をしていた結果でしょう。

そして、その中の大赤字法人です。

その法人が無くなってもさほど困らないケースもありそうです。

細々と営業しているだけであったり、他の法人のトンネル法人になっているだけであれば。

他の法人に営業譲渡または分割して、その大赤字法人は清算してしまいます。

清算の登記費用や清算確定申告等の事務費用はかかりますが。

債務超過の残余財産マイナス状態であれば期限切れ欠損金も損金にできますので。

法人税課税はされずに社長の貸付金が消滅します。

ただし、この方法はコストも掛かります。

営業譲渡等の場合には対価が適正でなかったら。

法人間・株主間の寄付・贈与認定のリスクが常につきまといます。

費用をかけて実行したのに、また別の税務リスクが発生したのでは意味がありません。

必ず専門家に相談されることをお勧めします。

岩永龍太郎税理士事務所へのお問い合わせはこちら。

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