年明けに。【平成26年より【延滞税】税率引き下げ 14.6%→9.2%!】
という記事を書きました。自分は記事の中で、
「無理して金利の高い所から借りて何とか払うくらいなら。
租税の方を待ってもらった方がダメージが少ないケースも出てきそうです。」
と控えめな書き方をしました。
国税庁【延滞税シミュレーター】
スムーズな申告・納税制度を維持するために働く税理士の立場上。
有利だからといって延滞を勧めるような書き方は良くないかな…と思ったのですが。
ところがなんと、国税庁が【延滞税シミュレーター】のようなページを作成しています。
ご丁寧に、H23年、H24年、H25年の。
それぞれの年のどの税目を何月何日まで延滞する、
という前提条件を入力すると。
自動で延滞税の額を計算して計算結果が表示されるようになっています。
意図はどこにあるのでしょうか?
無理してどこかから借りてきて納税するケースと。
延滞して延滞税を払うケースと。
どちらが得か判断しやすくしてくれているのでしょうか?
「無理せず延滞した方が得ですよ。」
…って、国税の側から言われるなんて。
良いのでしょうか…
何だか複雑な気分です。
借りてきて利息、延滞して延滞税、どちらが有利?
100万円の納税の期日が迫っています。
手元には資金がありません。
この場合の選択肢としては、
①どこかから借りてきて100万円を支払う。
②100万の納税を待ってもらう(延滞する)。
のどちらかです。
借りてきた場合には「利息」が、延滞した場合には「延滞税」がかかります。
これら2つの違いは「経費として認められるかどうか」です。
利息は当然経費ですが、延滞税は罰金的な性格もありますので経費になりません。
ですので、利益に対する税率が20%の個人事業主様であれば。
利息を10万払えば翌年の所得税・住民税が2万円減りますが。
延滞税を10万払っても翌年の所得税・住民税は減りません。
ですので、①、②の有利選択をする場合にはこれを計算に入れる必要があります。
もっとも、利益が十分出ている企業様なら。
そもそも税金を払えなくて困る、ということが無いでしょうから。
赤字ならどのみち来年減る税金がありませんし。
来年の納税額よりも目先の利息の方が怖いでしょう。
ですので、たいていは単純に利息の利率と延滞税の税率の比較で良いと思います。
「カードローンで借りる利息よりは延滞税の方が安い」という結論になるでしょうか。
ただもう一点、注意しなければならないのは「納税証明」です。
金融機関からの融資を受ける場合や官公庁との取引がある場合。
延滞していると納税証明が取れず、取引ができない可能性があります。
この場合には「延滞が有利」などと言っている場合ではありません。
いずれにせよ。
きちんとした納税計画を立てて。
延滞せずに済むのが一番ですね。
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