ときどき、「今の税理士は何もしてくれないので替えたいと思っている」
…と、言われる社長様にお会いします。
私がお役にたてるなら立ちたいと思いますが、話を聞いてみると。
どうも私でもお役には立てなさそうだな、と思ってお断りすることもあります。
比較基準:今の税理士は本当に「何もしてくれない」のでしょうか。
「税理士が何もしてくれない」と嘆かれる社長様。
私のつたない経験では。こんな理由があります。
1.税理士が本当にひどい。
以前、1人だけお会いしたことがあります。
試験合格組ではなくOB税理士さんのようでしたが、本当に、簿記が全くわからない様子でした。
簿記がわからないため話が通じないので、担当者の社員さんが通訳していました。
(もちろん無資格者ですが、税理士さんよりは話が通じました。)
でもその社員さんも、入れ替わりが激しいようで、まだその会社のことをあまり知らず。
しかも、引継も何もなかったようで、過去の資料がどこにあるかもわからない様子でした。
こういう事務所もあるんだな…と絶句したことを覚えています。
ですが、こういうケースは本当にまれだと思います。
2.税理士は帳簿はきちんと処理しているが、話下手。
「何もしてくれない」と言われるので帳簿を見せていただいたところ。
非常にきれいで。税理士さんが真面目に仕事をされている印象を受けるケースです。
ただ、税理士さんが話下手であったり、無愛想であったり、偉そうであったり。
とにかく話しにくいので相談しにくい。
社長は会計はよくわからないので、税理士が真面目に仕事をしているかどうかわからない。
結果、普段の仕事はきちんとしているのですが、「何もしてくれない」という印象になる。
実は、このケースが一番多いです。
このケースで、しかも料金が比較的安めである場合には。
税理士さん、もしかしたら替えない方がいいかもしれません。
下手に「愛想はいいけれどいい加減な税理士」に替えてしまったら勿体ないです。
それに、コミュニケーション能力の高い税理士に同じ水準の日常業務を依頼して。
その上プラスアルファの業務も依頼すれば。
おそらく顧問料としては高くなるでしょう。
でもこれで料金が高いのであれば。
同じ業務をもう少し相談しやすい税理士にしてもらえるかもしれません。
これをふまえて、税理士を比較し、上手に使うポイントを考えてみます。
税理士を上手に使うポイント①税理士に何をしてもらっているのか理解する。
社長様が会計のプロ並みの知識を身に着けるべき、とは思いません。
でも、
・税理士が一体どんなことををしてくれているのか
・仮に自社でしたとしたらどれくらいのコストがかかる作業なのか
これくらいは把握なさっておかれた方が良いと思います。
逆にここが全く分からなければ、よそと比較のしようがないからです。
もし、よくわからないなら是非税理士に質問なさってください。
誠実に仕事をしている税理士なら、納得のいく説明をするはずです。
税理士を上手に使うポイント②報酬の相場を比較して確かめる。
最近ではインターネットで様々な税理士事務所の報酬料金表を見ることができます。
その相場と比べて、自分の依頼している税理士は高めなのか安めなのか。
その相場感と、①のしてもらっている作業を照らし合わせれば。
・安いのに日々の作業はきちんとしているので、プラスアルファを期待するのは難しい。
・明らかに高めなので、何もしてくれない印象を受けるということはサービス不足。
このような状態なのかどうか、判断することができます。
税理士を上手に使う秘訣③そもそも相談しやすい税理士に依頼する。
「何もしてくれない」と感じる根本的な原因は、コミュニケーション不足でしょう。
当初社長様の方で比較して相見積もりを取られて。
「極力安い方が良いので、最低限の申告の代理だけお願いします」と言われて。
顧問契約したとしても。
やはり資金調達等で困っているときに、
「私どもでこういった形でお手伝いすることはできます。
もっとも、報酬は別途でかかってはしまいますが…」
という提案をしてくれる税理士であれば。
逆に、社長様の方から、
「ちょっと、もしかしたら費用が掛かるかもしれないけど、手伝ってもらえないでしょうか…」
と相談しやすい税理士であれば。
「何もしてくれない」という印象にはならないとおもいます。
最近は税理士のホームページも増えてきました。
以前はアポイントをとって事務所を訪ねなければわからなかった、年齢、人柄、雰囲気。
ある程度は自宅に居ながらにして比較できるようになりました。
決して安くはない費用です。
ご自分である程度お調べになって。よく比較なさって。
最初から、相談しやすそうな税理士を選ばれることをお勧めします。
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