早いもので、もう年末ですね。
税理士事務所はこれから【年末調整】【確定申告】の繁忙期に入ります。
このブログも頻度が落ちるとは思いますが、頑張って更新していきます。
さて、年末にしておくべき。
“年が明けてからでは手遅れ”になる確定申告の準備があります。
1.年末が期限の消費税届出【簡易課税・本則課税選択】
実は、税理士の損害賠償事故で非常に多いものがこれだそうです。
年明け、昨年1年分の資料を整理して、会計データを作り始めました。
ふと、この業績であれば今年は簡易課税の方が有利になりそう、と気づきました。
気付いてよかった~!
…とはなりません!すでにタイムオーバーです!
実は、消費税の計算を「簡易課税で行うか」「本則課税で行うか」は。
その年の「初日の前日まで」。
つまり、前年の年末までにどちらでするか決めて届出書を出さなければなりません。
何もしなければ、「簡易課税か、本則課税か。」前年までの計算方法が継続されます。
初めて消費税を納めることになる方の場合は「本則課税」です。
特に、個人で開業されたばかりで利幅の大きいビジネスをされている方。
初年度の上半期売上高が1000万円を超えていれば、2期目から消費税納税です。
簡易課税、選択しなくて大丈夫でしょうか。
12月中に、少なくとも10月までの損益を集計して。
来年のシミュレーションを立て、どちらが有利か計算してみましょう。
年明けでは間に合いません!
2.決算対策の必要があるかどうか確認【概算納税額把握】
1.の消費税の判定が必要ない方でも。
やはり10月までの損益は集計して、今年の利益の見込み額。
それに対して支払う来年度の所得税・住民税。
国民健康保険の加入者であれば、できれば国保の保険料も。
確認しておきましょう。
おおむね例年並の利益になりそうであれば。特に問題ないと思います。
でも、今期突発的に多額の利益が出ていればどうでしょうか。
「いつもより儲かったんだから社会に還元しよう!」
「税金も国保もたくさん払おう!」
というのも非常に良い考え方だと思います。
確かに、儲けた金額以上に税金が高くなることは基本的にありません。
しかし、突発的に出た利益ですので。
来年以降の投資に回したり、貯蓄に回すこともできます。
その場合、年内に対策が取れれば、それを経費に落とすことも可能です。
3.決算対策【来年以降の投資・貯蓄を経費で落とす】
事業主様の中には、「決算対策」というと。
じゃぶじゃぶ交際費などを無駄遣いして利益を消す。
ということしか頭にないご様子の方もいらっしゃいます。
考え方はいろいろですが、私は、これならしない方がマシだと思います。
税金は払わずに済んだとしても、結果的に手元に何も残りません。
税金を減らす決算対策の中には。
「来年以降の投資」や「貯蓄」を今年の経費で落としてしまえるものがあります。
代表的なものとして、設備投資について
・青色申告30万円未満の固定資産即時償却
・各種特別償却
があります。
通常なら、12月に設備投資をしても1カ月分の償却費しか経費に落ちないわけですよね。
ですがこれを使えば年末の設備投資をその期の経費に落とせます。
「来年以降の投資」を今年の経費で落とせるわけです。
また、「貯蓄」を経費に落とすものとしては、
・経営セーフティ共済(倒産防止共済)
・小規模企業共済
といったものがあります。
いずれも、国が加入を呼びかけ、解約までの年数等一定の縛りはあるとはいえ。
基本期には掛金の全額が返ってくる共済でありながら。
「掛金を全額損金(小規模企業共済は所得控除)にしていいよ!」
という特別優待をつけているものです。
いってみれば、定期預金を積立てながらその金額を経費で落とすようなものですね。
非常に「おいしい」制度だとおもいます。
いわば「貯蓄」を今年の経費で落とせるわけです。
そして掛金の月額に上限があるのですが、いずれも【年払い】が可能です。
例えばセーフティ共済を月額20万円に設定して年払いすれば。
年末で240万円の貯金を経費にできます。
上記いずれも。
年が明けてから帳簿をつけて、「あれ、えらく儲かってるよ。」
と気づいてからではもう手遅れです。
ぜひ、年内に。
最低でも10月までの帳簿はつけて、損益を集計して。
対策が必要ないか、検討なさってください。
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