国が政策として企業に「こんなことをさせたい」と思う場合。
掛け声だけでは誰も動いてくれません。
よく採られる方法の一つは「こんなことすると税金を減らしますよ」
…という税制を用意することです。
Business Meeting / thetaxhaven
過去にも、設備投資が冷え込んでいれば「投資促進税制」。
研究費にもっと費用を回してほしいと思えば「研究開発促進税制」、といった具合に。
その時々の経済状況に合わせて税制の優遇措置が設けられてきました。
今、国は雇用の拡大(特に若者)を課題としているようです。
今回H25年度の税制改正でも
「人を増やしてください、増やすと税金減らしますよ」
という制度をいくつも用意しています。
所得拡大促進税制
一つが「所得拡大促進税制」です。詳しくはこちら。(経済産業省のHP)
要約しますと、法人はH25年度、個人はH26年以降の3年間のどこかの年で
①基準年度(法人はH24年度、個人はH25年)より5%以上給与等支給額が増え、
②前年度より給与等支給額が減っておらず、
③従業員一人あたりの平均支給額も減っていなければ、
5%以上増えているその
給与等支給額の増加分の20%(中小であれば)分の税金を減らしますよ
ということのようです。
非常に使い勝手が良いのは、もう一つの雇用促進税制と違い事前の届等がいらないことです。
決算になってみて、「あれ、増えてるよ」と気がついてからでも使えるわけですね。
もっとも、黒字で法人税が出ているのが大前提ですが。
大企業が人件費を5%増やす、というと何十人も新たに雇用して大変そうですが。
創業したばかりの事業所では2人が3人になるだけでも50%の増加ですよね。
1人当たりの平均給与が減っていては適用がありませんから。
パートさんばかり増やして平均給与が下がると、使うことは難しそうです。
しかし、「最初はパートさんで回していたけど、軌道に乗ってきたから常勤を入れた」
というようなケースなら。
まず確実に使えそうです。
次回は、もう一つの雇用促進税制についてもチェックしてみたいと思います。
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