私事ですが、現住所の福岡県遠賀郡岡垣町に引っ越してきたとき。
役場の近くに「コメリ」があるのに気づきました。
田舎に越してきたんだな、としみじみ感じたのを思い出します。
あの、田舎のシンボルのような「コメリ」。
実は、【戦わずにすむフィールドを探す】という経営のお手本のような存在だそうです。
「ビジネスとは競争」ですが…
「ビジネスとは競争だ」と言われます。
確かにその通りです。
しかし中小・個人が大手と正面から戦っては勝てるわけがありません。
大量仕入・大量生産による利が向こうにはありますし。
値下げによる消耗戦になれば資金が続くほうが勝つに決まっています。
私の好きな記事です。
【J-net21 流通・小売の新常識 ホームセンター コメリ】
以下、出典からの引用です。
たとえば、外食、家電量販店などのチェーンストアの出店は、
人の集まりやすい場所を狙うことが原則である。
駅前や幹線道路沿いに出店することで来店顧客数を増やしていくわけだ。
ただし、皆が原則に従えば、そこは自然と激戦区となる。
それぞれが「安さ」「豊富な品数」「広い店舗」といった武器を用いて、
店舗がひしめくなか、つぶし合いの死闘が繰り広げられる。
小売店にとっては確かに「立地が全て」が常識です。
多少良い店であっても人通りのない所では、やっていける気がしません。
しかし、コメリは真逆の発想からスタートしたそうです。
あえて「競争しない」という選択肢
コメリには、独自で開発した「ハード&グリーン」という業態がある。
DIY用品(ハード)と園芸用品(グリーン)に特化した専門店である。
一般的なホームセンターチェーンは人口3万人~5万人以上の商圏を狙い出店する。
これ以下の規模だと商売が成り立たないからだ。
対するハード&グリーンは、出店する地域が人口わずか1万人程度の農村地域である。
くわえて、店舗の面積は一般のホームセンターが1000坪超なのに対し、
ハード&グリーンは300坪。
専門店のため品数は限られ、扱う商品はノコギリや農機具といった
一度買ったら長持ちする、きわめて回転率が悪いものばかりだ。
ハード&グリーンは農村地域にあり、大きな来店数は見込めない。
だが、見方を変えれば、この地は出店しても儲からないことを理由に、
大手企業は進出しない、「競争のない世界」でもある。
安売り合戦で疲弊することもないし、顧客の奪い合いで血を流すこともない。
昔から、田舎に行くと必ず見かけるな、と思っていましたが、
徹底して「戦いを避けた」結果だったのですね。
農村部の住民の多くは50代を超える年配者である。
大型店は車を降りてから店舗まで距離がある。
さらに、欲しいものを買うため広い店内を歩きまわったあげく、
レジは立ちっぱなしでずっと待たなければならない。
ホース一本買うだけなのに、ヘトヘトになってしまうのである。
その点、ハード&グリーンはこじんまりしているので、
車で乗りつければ大して歩かずに数分で買い物が済ませられる。
しかも、地域に密集して出店しているので、農家の自宅近所に店があって便利だ。
しかも農村部の弱みを、小型店舗によって逆に強みに変えたのですね。
競争しなくて済むフィールドを探すこと
コメリは人口の少ない田舎という「地域」、
農村部の高齢者という「客層」を絞り込んで.
大手の参入しないフィールドを探し当てました。
自社の商品やサービスも、「地域」「客層」「価格」「流通」「営業」。
どこかを絞り込むことで、競争のないフィールドが見つかるかもしれません。
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