【売れないならマーケットを掘り起こす】福岡県福岡市・辛子明太子のふくや

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税理士が売上を予測する方法の一つに【マーケット×シェア】という考え方があります。

どんなに良い商品を開発して、お客様から「この商品が1番だ!」と認知されても。

そもそもそれを欲しがる人が少なく、単価も低ければ「マーケットがない」わけです。

圧倒的1位のシェアを取ったとしても売上は大したことはありません。

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福岡県福岡市「辛子明太子のふくや」

「圧倒的に良いものを考案したのにマーケットがない」

という難題を乗り越えた企業様が福岡にあります。

 

福岡県福岡市博多区に本社を置く、辛子明太子のメーカー【ふくや】。

 

今では日本全国で食べられている明太子ですが。

実は歴史は比較的浅く、1949年。

創業者の川原俊夫氏が満州から福岡に引き上げたのち。

朝鮮の「明卵漬」を日本風にアレンジして考案した「明太子」が始まりだそうです。

 

私も大好きです。非常においしいものですが。

当然考案した当時、まだ誰も欲しがる人はいなかったわけですよね。

 

マーケットを拡大させて売上を伸ばす!

川原氏はなんと、生まれたての小さい「明太子マーケット」を大きくするために。

・商標登録もしない

・製造法特許も取得しない

・地元同業者へ製造方法を惜しみなく教える

という戦略を取られました。

 

模倣品が出回って埋もれてしまうリスクを考えると怖い気もしますが。

しかしおそらく、

「今の小さいマーケットでシェア100%を取るよりも、

大きくしたマーケットでシェア30%を取る方が大きい」

という経営判断だったのでしょう。

 

結果的に、製造方法を教わった同業者は、様々な風味の明太子を発売し。

明太子は福岡・博多名物としてすっかり定着しました。

そしてその拡大した「明太子マーケット」の中で。

ふくやはいまだにトップブランドであり続けています。

 

シェア100%を取れるとしても、そのマーケットが小さいのであれば。

シェアを維持することを考えるよりも、マーケットを広げることを考える方が。

売上拡大の近道なのかもしれません。

 

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