以前このブログでも簡単に触れたことのある逆養老保険裁判。
2012年1月に。社長が受取る満期保険金にかかる一時所得の計算上。
控除できるのは社長が負担した保険料だけだよ、
という当たり前の判決が出たところまではチェックしていたのですが。
どうやらそのあとさらに、「加算税」についても争われていたそうです。
間違えて当然だから加算税はおかしい!
2012年1月の時点で申告がまずかったことについては最高裁で認定されたわけで。
こちらについてはもう仕方がないにしても。
「限りなくクロに近いグレーかもしれないけど。
はっきり法でダメ!とは言われていなかったのだから。
そういう申告をすることだってあって当然でしょう。
なのに加算税まで取られるのはおかしい!」
と主張した納税者が、加算税の取り消しを求めて提訴していたようです。
実は、加算税は
・自主的に修正申告した場合
・過少申告したことに「正当な理由」がある場合
にはかかりません。
では「正当な理由」とは。
単に法律を知らなかったとかではもちろん許されませんが。
「法の解釈適用について納税者が誤るのも無理はないと思われる場合」
などが当てはまるようです。
ここをついて納税者が提訴したわけです。
2013.05.30福岡高裁判決 過少申告に正当な理由はない!
判決によりますと。
・納税者は税務当局に処理が妥当かどうか問い合わせていなかった
・納税者の責めに帰することのできない客観的な事情があるとまでは言えない
として、結果的に納税者敗訴になったそうです。
ここで納税者を勝たせてしまうと。今後、
「どう考えてもアウトだけど、まだ法律には書いてないんだからやってしまおう!」
「もし見つかってアウトにされても差額の本税だけ払えば済むんだし。」
という風潮が蔓延することを危惧したのでしょうか。
いずれにせよ、保険の新商品など、はっきりまだルールの定まっていないところでの節税。
売りたい一心の営業マンの「大丈夫ですよ!」を鵜呑みにすることなく。
十分にリスクを理解した上での利用が必要ですね。