【大公開】税務調査に耐えられる資料の調べ方

こんな【節税】は要注意

インターネットが普及し、情報があふれかえっている時代。

「会計」「節税」などのキーワードでも、本当に無数の記事がヒットします。

経営者様ご自身や、税理士事務所の新人職員が。

こうした記事を参考にすることも増えていると思います。

でもその記事、本当に大丈夫ですか?

「税務調査で反論できる」レベルの資料とは?

そうした記事で調べ物をして、実際にその通りに経理処理して申告しても。

言ってしまえば、税務調査さえなければ。

それが正しかったかどうかなんてわからないわけですよね。

そう考えますと、資料に求められるのは。

「税務調査があっても大丈夫なレベル」なのかどうか、ということです。

 

多くの人は、「Yahoo知恵袋」とまではいかないにしても。

税理士さんや、何やら「節税コンサルタント」などなどと名乗る方。

大学教授などのブログ等を参考にします。

 

でも、税務調査の現場で。

「いや、この税理士さんのブログで大丈夫って書いてましたよ!」

と調査官に反論して、何か役に立つでしょうか

その税理士さんは調査官の上司でもなければ知り合いですら無いのです。

何の役にも立ちませんよね。「それが何か?」という話です。

 

ですから税務調査の現場では。

・調査官に対して強制力のある根拠

・調査官が従う義務のある根拠

を提出しなければならないことがわかります。

それは何でしょうか?

税務行政の成り立ち…法→政令→通達

日本国憲法第84条にはこうあります。

「あらたに租税を課し、又は現行の租税を変更するには、法律又は法律の定める条件によることを必要とする。」

一般に「租税法律主義」と言われている条文です。

要は、「法律で定められていないところで税を課したり徴収したりしてはいけない」

という意味です。

税務調査の調査官であっても、当然。

法律で納税義務のないもののを取り立てることはできないわけですよね。

 

ではこの法律。「税法」。どうやって決められるのでしょうか。

中学校で「三権分立」と学びました。

「立法」「行政」「司法」。

税法を決めるのは「立法」の府である国会です。

でも、国会議員は税務会計の専門家ではありません。

あくまで国会で決められる税法というのは、

「こういうものには税を課しますよ」という概要のところまでです。

 

それで、それを受けて続いて「行政」

こちらがもう少し細かい具体的なところを決めていきます。

例えば法人税であれば「法人税法施行令」という形で政令を公布します。

「行政」のトップが発した政令ですので。

当然税務調査の調査官はこれに従う義務があります。

 

しかし、これでもやはり実際の調査の現場ではグレーなところが無数に残ります。

それで、その施行令を受けて、今度は「行政」の中の「国税庁」トップ。

国税庁長官が「通達」、例えば法人税なら「法人税法基本通達」という形で。

さらに細かい点について、現場の税務署員に指示を出します。

「このようなケースはこのように扱いなさい」という命令書のようなものです。

 

実はこの「通達」。昔は全て公開されてはいませんでした。

それはそうです、国税側としては完全に手の内を公開させられているようなものです。

 

さかのぼること十数年前、行政改革のきっかけとなった大蔵省接待汚職事件。

「のーぱんしゃぶしゃぶ」などの単語で記憶されている方も多いと思います。

あの事件を契機に、「行政は自分たちが何をしているか公開すべきだ!」

という声が高まり、あおりを食って行政機関の一つである国税庁も。

部下に出している通達を全て公開させられることになってしまいました。

 

ですからこの、私たちが自由に見ることのできる

「法律」→「施行令」→「通達」。

この流れに沿って税務行政は運用されており。

現場の税務署職員はこれに従う義務があります。

彼らは公務員ですから、いわば軍隊と同じです。

上官の命令は絶対なのですから。

調査官が「これはけしからん!」とどんなに言ったところで。

通達に「OKです」と書いてあれば調査官はそれに逆らえません。

 

調査の現場で「この税理士さんがブログでOKって書いてました!」

は何の意味もありませんが。

「通達にこうありますが?」は一撃必殺なのです。

 

「司法」の影響力-判例!

「立法」「行政」が税務調査官に影響を及ぼすルートを考えました。

それに加えて「司法」も影響を与えます。

 

先ほども書いたように、「法律」→「政令」→「通達」と。

指示が下りていくにしたがって、内容は細かくなっていくわけですが。

それでもまだ残ったグレーな部分については「裁判」で争われます。

 

仮に税務調査の現場で、調査官が「これは認められません!」

納税者も「納得できません!これは絶対に正しいはずです!」

と最後まで平行線だったとしたらどうなるでしょうか。

 

調査官は「更正」という処分で無理やり追徴課税し。

納得できない納税者は裁判に訴えるわけです。

 

では。

以前にほぼ同じケースで「納税者勝訴」の判例があったらどうですか。

判例には拘束力があります。

「以後、同じことが起これば同じ判決が出る」ことが原則です。

 

「裁判になれば負ける…」とわかっていて無理やり更正処分をかける調査官はいません。

ですから先ほどの平行線の現場で。

「以前同じようなケースで裁判があったようですが…?」

と言ってその判例を持ち出したならどうでしょうか。

 

くどいようですが、「この税理士さんがブログでOKって書いてました!」

なんて何の意味もありません。

しかし「判例にこうありますが?」は破壊力絶大なのです。

 

 

結論-根拠は必ず「施行令」「通達」「判例」まで確認!

こんな風に偉そうに書いていますが。

私もよく何人かの税理士さんのブログやメルマガを参考にします。

税理士さんの中には、見ていて「ちょっと大丈夫かな…」という方もいれば。

根拠法令や判例に通じておられて、それを上手に解説される。

「世の中には頭のいい人がいるんだな…」とうらやましくなるような方もおられます。

 

「通達」や「判例」は確かに慣れないと読みにくいです。

その手前のリサーチとして。

税理士さんや学者さんのブログを調べるのは悪いことではありません。

 

でも、実際に判断したり決定する前には。

かならず根拠を「施行令」「通達」「判例」までさかのぼって。

確認されることをお勧めします。

 

コメント

  1. Cheapcialis より:

    どうもありがとうございました!

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