開業にあたっての、大きなハードルになることの多い開業資金。
まだ本決まりではないようですが、雇用拡大につながる創業を支援するため。
日本政策金融公庫の新創業融資の条件が緩和されるそうです。
日本政策金融公庫【新創業融資制度】
経済産業省のホームページに詳細が載っています。
注目はこちら。そのまま引用しますと、
新創業融資制度
(創業後2期未満の者に対する無担保・無保証の融資制度)
貸付対象:海外展開資金を追加
貸付限度額:1,500万円→3,000万円(運転1,500万円)
自己資金要件:開業資金総額1/3→1/10(※)
貸付期間:設備10年→15年
据置期間:6ヶ月→設備2年、運転1年※
一定期間の勤務経験を有する者等は同要件を適用しない。
… !?!?
「無担保・無保証で3000万円!しかも自己資金は1/10でOK!」
なんだか、とんでもない金融業者のキャッチコピーみたいですね。
電柱に手書きの看板で貼ってあったりしそうです。
しかも連絡先は携帯電話の番号だったり。
「そんなうまい話あるか!」
「絶対何か裏があるだろう!」
と、通常なら全く相手にしないレベルの話に思えますが。
これは、れっきとした【日本政策金融公庫】の創業融資の融資条件です。
すごいことですね…
「要件が緩和された=誰でも借りられる」ではないと思います。
この条件をそのまま当てはめますと。
貯金0、親や友人から見せ金で100万かき集めてきただけの若者にも。
1000万円融資が下りることになりますよね。
でも実際、本当にそれで貸すのかと言えば疑問です。
ご自分が貸す立場ならどうでしょうか。
これだけ開業直後から行き詰まってつぶれる企業がいくらでも存在するご時世に。
何の考えも計画性も無く、有り金は即使ってしまうタイプの人が。
「開業するんでお金貸してくださ~い」、とやってきたら。
絶対貸さないですよね。
でも初対面でその相手の性格なんて完璧には見抜けません。
ではどこを見るか。
「ある程度十分な自己資金を持っている」=
・開業という目標に向けて、長い間コツコツ努力してきた。
・お金を自分で目的別に管理できる能力がある。
「自己資金がさっぱりない」=
・長い期間をかけて計画したのではなく、単なる思いつきでの開業。
・目の前にお金があれば後先考えず使ってしまうタイプ。
と、ここくらいしか見るところはないのではないでしょうか。
税理士やコンサルタントに依頼すれば。
事業計画書は本当にきれいに書いてくれます。
融資がおりる確率も上がるでしょう。
でも、計画性が無く、資金の管理もできないような方は。
無理にきれいな事業計画書を書いて融資をうけたところで。
遅かれ早かれ行き詰るのは目に見えています。
創業の段階では「創業すること」が目的になってしまいがちですが。
本来の目的は「創業して成功すること」のはずです。
創業融資の受付の窓口は広がるようですが。
「広がったから」というだけの安易な気持ちなどではなく。
従来の要件でも申し込みができるような、決意と計画性を持った方が。
創業に成功なさることは変わらない気がします。
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