最近は「新規開業」の方よりも。
「税理士を代えたい」という問い合わせの方が多いな、と感じている今日この頃です。
「税理士 選び方 比較」などのキーワードでGoogle検索される方も多いようですので。
今日は税理士の「選び方そのもの」を比較してみたいと思います。
①知人の紹介
“あてになるようで、意外とあてにならない”のが知人の紹介です。
「近所に美味しいお店があるんですよ。行ってみませんか?」
という口コミが参考になるのは。
その方が美味しいもの好きで、いろいろなお店を知っている場合です。
一つの店しか知らない方のおすすめ…
悪くはないと思いますが、あてになるかどうかは未知数です。
この点、税理士に関しては。
「複数の税理士に依頼したことがあり、その業務内容の違いをよく理解している」
などという方はまずいません。
うちの税理士はお勧めできるよ、という方でも
「前の税理士がよっぽどひどかったので替えて、今はとりあえず問題ない気がする」
というくらいではないでしょうか。
銀行さんなど、多数の税理士と接する機会のある方の紹介はやや頼りになります。
しかし、その銀行員さん自身が依頼しているわけではないことも考慮しなければなりません。
税理士という業種の特徴として、
「どんなにいい加減なことをしていても発覚しにくい」という面があります。
税務調査さえなければ。仕事がずさんでも気付かないケースがあります。
人当たりが悪くなければ、どんなにいい加減な税理士でも。
「今はとりあえず問題ない気がする」という程度の評価にはなるはずです。
最近私のところに依頼してくださったクライアント様は。
以前、取引先の紹介で依頼した税理士がその取引先と仲が良すぎたようで。
自社の業績がその取引先に筒抜けになっているのに気が付いて。
税理士を変える決心をなさったようです。
これは守秘義務の観点からも問題外のケースですが…
また、この方法は
「税理士がハズレだった場合、紹介者に遠慮して代えにくくなる」
という大きな欠点もあります。
②税理士紹介会社
税理士業界内で広告が一般的になり。
税理士事務所がホームページを作るようになってまだ日が浅いこともあるからでしょうか。
「税理士+地域名」で検索をかけると税理士紹介会社が多数ヒットします。
ところでこの「税理士紹介会社」。
Google検索で「税理士紹介会社」と打ち込みますと。
予測変換で「税理士紹介会社 違法」と出てきます。
実は税理士法では、税理士は「非税理士との提携」が禁止されていて。
提携の中には「業務上のあっ旋を受けること」が明記されています。
税理士会のホームページの中には、
「インターネット上に存在する種々の税理士紹介サイトは
日本税理士会連合会とは 一切関係がありません」
とわざわざ書いているところもあります。
では、このように税理士法・税理士会からかなりにらまれている、「税理士紹介会社」に。
それでも登録しておられる税理士さんはどんな方でしょうか。
税理士に対するよくある不満の一つは。
「何をしてもらっているのかわからない」です。
税理士の業務は確かに一見何をしているのかよくわからない所があります。
ですので、説明が上手であること、難しいことをわかりやすく伝えられること。
コミュニケーション能力の良し悪しは税理士の評価に直結する部分です。
コミュニケーション能力が高く。
自分で自分の業務内容や強みをアピールでき、クライアントを満足させられる税理士が。
わざわざ「税理士紹介会社」を利用するでしょうか。
「コミュニケーション能力の高い税理士を税理士紹介会社で探す」
ということに、そもそも無理はないでしょうか。
また、「紹介料は無料」をうたう紹介会社も多いようですが。
運営している以上、しかもあれだけのPPC広告を打ってホームページ集客している以上。
もちろん費用はかかっています。
その費用は登録している税理士が払っています。
税理士のポケットマネーではありません。顧問料で回収する広告費です。
クライアントは通常の顧問料に上乗せされた税理士顧問料で紹介料を支払っているだけです。
③自分で探す
もっとも面倒な方法に思えるかもしれません。
ですが、この方法をお勧めします。
一昔前、「税理士を自分で探す」と言いますと。
ただでさえ敷居の高い事務所の扉を開けて。
どんな人が出てくるかわかりませんが、怖いおじいさんのイメージの強い税理士と。
話しにくい「お金」というテーマで話をする…
などという極めて負担の大きな作業をしなければなりませんでした。
これを何軒もの事務所でするなんてぞっとします。
ですが、今ではインターネットがあります。
若い税理士はたいていホームページやブログ、Facebookなどを開設しているでしょう。
業者に依頼した広告テンプレート感満載のホームページではなく。
税理士自身が書いているブログや記事をご覧ください。
文章には人柄が現れます。
親身になってくれる人か、比較的ドライな人か。
説明がわかりやすいか、わかりにくいか。
料金が高いか安いか。
丸投げ型か、コンサル型か、融通が利くのか。
税理士が訪問するのか、職員が来るのか。
事務所の高い敷居をまたがなくても、自分に合った税理士を探せるはずです。
今年、私に依頼して下さり、良いお付き合いの続いている別のクライアント様ですが。
知人に紹介された税理士が明らかにおかしいと気付き。
何回でも紹介しますとうたう税理士紹介会社から3人紹介を受け。
一番まともそうに思えた税理士にその年は依頼したものの。
やはり続けて依頼する気にはなれず。
ホームページで税理士を探しておられたとのことです。
面倒に思えても、やはりこれが一番早道のようです。
2016.6.21追記
株式会社研修出版様の「月刊経理ウーマン」に
「良い税理士・悪い税理士の見分け方」というテーマで記事を寄稿しました。
記事はこちら。
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