【成年後見制度】成年後見人をつける3つのデメリットと費用

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前回の記事では、第三者が後見人になることが増えているとしても。

それでも後見人を付けることのメリットを考えてみました。

今回の記事ではデメリットと、後見人を付けることをためらう理由のおそらく上位。

「費用」についても考えてみたいと思います。

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成年後見人をつけるデメリット①会社の取締役など責任ある立場につけなくなる

裁判所から「成年後見人が必要」と判断された。

要は、正常な判断力が失われてしまっている、と判断されているわけです。

その状態で高度な判断力が要求される立場につくことは危険ですので。

会社の取締役、弁護士、税理士など 一定の立場にはつけなくなります。

もっとも、判断力が低下している時点で。

実質的に職務は果たせなくなっているでしょうから。

通常はそれがデメリットになることはないと思います。

ただ、名義上どうしてもその方がその立場にいないとまずい…

ということがある場合には考えなければなりません。

しかし、その状況。そもそも良くないですよね。

例えば一人税理士の事務所で、税理士が認知症気味ですが。

実質的に職員が業務を行っているケースとか…

成年後見人をつけるデメリット②相続税対策はできなくなる

これは財産をかなりお持ちの方の場合デメリットです。

成年後見人制度の趣旨は「本人」の保護。

本人が十分な介護を受けることができ、すこしでも快適な生活ができるように。

当人の財産を有効活用するための財産管理が後見人には求められます。

相続税対策というのは。

いろいろありますが結局は、

■課税財産を減らす(生前に贈与してしまうなど)

■法定相続人を増やす(養子縁組など)

のどちらかに集約されます。

考えてみますと。

「贈与」とは当人に何の見返りもないのに財産を渡す行為です。

後見人は、財産を本人のために使わなければなりません

ですので、親族や相続人に「贈与」することはできなくなります。

また、後見人には「代理権」が付与されているとはいえ。

本人の意向を無視して勝手に結婚させることなどは当然できません。

「婚姻」「養子縁組」などのいわゆる「身分行為」の代理はできないのです。

では、判断力が低下して判断ができない。

そして後見人も代理ができない。

となりますと、基本的には養子縁組の決定ができないことになります。

そもそも「相続税対策」とは、本人のためではなく相続人のための行為。

本人保護を趣旨とする後見人制度において。

これが行えなくなることは致し方のないことなのかもしれません。

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成年後見人をつけるデメリット③親族も財産に手を出せなくなる

文化的な問題、地域的な問題かもしれません。

「同居して面倒を見てるんだから、もう本人の財産は自分の好きにしていい」

という感覚がある地域や家庭もあるでしょう。

しかし、実際、在宅介護が難しくなり、施設の入居を検討するとき。

お金がないからそんな立派な施設には入居できないよ」という結論になるのですが。

そもそも退職金もあって年金もあるのにどうしてお金がないの?

というところから調べてみると、年金は同居親族の生活費に消えている…

などというケースは少なくないのではないかと思います。

後見人制度は、このようなことが無いように。

当人の財産が当人を保護するためにきちんと用いられるように。

という趣旨のもとで制定されています。

その結果。

親族であっても本人の財産に手が出せなくなってしまいます。

もし本人の財産や援助をあてにして、ローンを組んでいた親族がいれば真っ青です。

しかしたいていの場合、その親族が申し立てをしなければ後見人は付きません。

日本において後見人制度利用率が低迷している要因の一つなのかもしれません。

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第三者が成年後見人になった場合の報酬・費用

後見人制度の利用率が低迷しているもう一つの理由。

それはおそらく、

申し立てをして、もし第三者が後見人になったらお金がかかる

ということではないかと思います。

実際の第三者後見人の報酬はどれくらいでしょうか。

実は、後見人が請求できるのではなく、裁判所が決めることになっています。

目安について裁判所の資料が公開されています。

成年後見人等の報酬額のめやす 東京家庭裁判所

「後見等の事務内容,管理する財産の内容等を総合考慮して」決定する、と書かれています。

基本報酬で月額2万円くらいが相場のようですね。

しかし、当人の財産が少なく、後見報酬を払っていては本人の生活が危うくなるのであれば。

後見報酬は限りなく下げられることもあるということです。

また、自治体によっては。

そのような方のために成年後見にかかる費用を補助しているところもあります。

例えば北九州市ですと。

在宅の場合月額28,000円以内、施設入所中の場合月額18,000円以内。

で費用の補助があるようです。

成年後見制度 北九州市

「後見人を付けてお金がかかるから、当人の生活に支障が出る」

というケースは基本的には無さそうです。

今後高齢化社会はますます進行します。

日本において現在65歳以上の高齢者は4人に1人。

20年後には3人に1人となる予想が立てられています。

独居の高齢者、高齢者二人暮らしの世帯がどんどん増えていく中で。

その方々を守れる制度の普及と定着は緊急の課題だと感じます。

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