【購入?リース?】設備投資で税理士が考えるポイント

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税理士が比較的よく受ける質問です。

「今から高い機械を買う予定なんだけど。購入かリースだとどっちがいいの?」

この相談を受けた時に税理士がまず考える内容をまとめました。

なお、自己資金で余裕で購入できるならそれに越したことはないですので。

今、手元に中長期の余剰資金は無い前提での話です。

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前提 ~「借入して購入」「分割払い」「リース」は実質的には同じ

一つだけその前に前置きです。

ここを押さえておかないと頭の中がぐちゃぐちゃになってしまうところです。

600万円の機械を購入する場合に。

①600万円を金融機関で借りてきて購入。

-借入元金は60回分割で「毎月10万円ずつ5年間」金融機関に返済する。

②600万円の購入代金を、メーカーに60回分割で「毎月10万円ずつ5年間」支払う。

③リース会社にリース料の名目で「毎月10万円ずつ5年間」支払う。

この3つ、支払の部分は結局どれも一緒ですよね。

ですので、会計上はほとんど同じ扱いをします。

購入時の勘定科目の名称が微妙に違う程度です。

①機械装置/長期借入金

②機械装置/長期未払金

③機械装置(リース資産)/リース債務

もっとも、①は“現金/借入金”と“機械/現金”の仕訳が別々に立ちますが。

結果としては一緒です。

①、②、③、いずれもこのあと機械装置を減価償却して。

負債を分割で払っていくだけです。

では何が違うのでしょうか。

それは「支払を待ってもらう相手」です。

支払を待ってもらう相手によって利率が違う

①のケースでは、支払を待ってもらっているのは金融機関。

②のケースではメーカー。

③のケースではリース会社。

このそれぞれが支払いを待ってくれているわけです。

「支払を待つ」というのは、その分の資金を貸してくれているのと同じです。

ですので、当然利息が発生します。

金融機関は、設備資金として貸出金の利息を提示し、元金と一緒に引き落とします。

メーカーは、「現金一括なら値引きをしますが分割では負けられません」

というように、分割の場合の支払総額を引き上げて利息分を回収しようとします。

リース会社は、リース料の中に「通常の分割支払額+利息相当額」を載せて

リース料を設定することで利息分を回収します。

当然まずはこの中から、利息の安い順に検討していくことになります。

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利息の比較方法

金融機関の借入金については、金融機関から提示される利率を見れば一目瞭然です。

リース会社についてはどうでしょうか。

例えば先程の例で。

普通に購入すれば600万円の機械のリースの見積をしたところ。

5年リースで月々11万円のリース料で提案書がやってきたとします。

厳密に計算するならエクセルで関数を組む必要がありますが。

「60回払い、支払総額は660万、元金相当額600万、利息相当額は60万か…」

「ざっくり、リース期間中、元金が一定割合で減っていくと考えると平均残高は300万」

「5年で60万ということは年あたりの利息は12万」

「平均残高300万から考えると、だいたい年利4%ということか…」

というレベルであれば暗算することができます。

同じようにして、メーカーに分割払いを交渉する場合にも。

差額相当額を利息と考えて、年利何%で借りているのと同じ状態なのか計算します。

これでどこが安いのか比較できる状態になりました。

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中小企業でよくあるケース:安いのは金融機関、しかし貸出枠が…

ここまで計算すると、たいていの中小企業ではタイトルのようになる気がします。

金融機関に設備資金で借入を打診した場合。

そのクライアント様の財務状況と金融機関の提示する利息は反比例しますので。

財務状況が良ければ「1%で良いので借りてください!」

財務状況が悪ければ「ちょっと、3%で保証協会をつければなんとか…」

という話になります。

それでも、たいていのリース会社の利率は5%前後。

金融機関の利息の方が高くなるケースはあまりないように感じます。

ですが、考えなければならないのは金融機関・保証協会の貸出枠です。

現状ほとんど借りておらず、まだ十分借りられる余裕があるなら良いのですが。

すでに目一杯に近く借りてしまっている場合。

今回のこの設備購入で借り入れして枠を使ってしまうと。

次に資金が苦しくなったとき、運転資金が借りられません。

ですのでこの場合は、安いとはいえ金融機関の貸出枠を温存して。

少し高くてもメーカーから分割払いで購入するか、リース会社でリースを組むかを検討します。

減価償却の差額は無視して良いレベル

「リースの方が期間が短くなるので早く経費に落ちるから税制上お得」という意見もありますが。

私見では表題の通りです。

リースを組む場合、耐用年数の7割くらいの期間で組むことがありますので。

耐用年数10年の機械であれば7年で経費に落とせる、というのがその理屈です。

ですが、大半の法人は機械の減価償却を定率法でしているはずです。

先程の600万円の機械が耐用年数10年だとして。

購入して定率法で償却した場合と、7年リース定額で償却した場合の償却額は次の通りです。

キャプチャ

当初はむしろ通常の償却の方が早く経費に落ちるのがわかります。

そして、最終的に廃棄するまでのスパンで見れば、経費の総額は変わりません。

これは判断に大きな影響を与えるレベルではないと思います。

特殊な条件-法人税・所得税の税額控除がある場合注意!

こちらの方が影響が大きい部分です。

もし、黒字法人で法人税の納税が見込まれる場合。

設備投資の優遇税制は間違いなく落とさずに使っていきたいところです。

毎年のように制度が変わりますので今後についてはわかりませんが。

「購入であれば購入価格の7%、法人税額から引きますよ」

「でもリースは対象外ですよ」

という制度や、リースだと控除額が下がる制度があります。

先程の例で、600万円×7%であれば42万円。

これが使えるのと使えないのでは大きいですよね。

こちらも検討材料に加える必要があります。

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まとめてみますと、

基本的には調達金利の安い手段を選定し、

金融機関借入枠の制限、税制上の税額控除があれば、そちらも合わせて検討する

ということになると思います。

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