経営者様、本当に、その会社を大きくして大丈夫ですか?

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「たくさん人を雇っている」「多店舗展開している」会社の社長。

なんとなく「カッコいい」、「すごい」というイメージです。

私も税理士になる前は素直にそんな風に感じていましたが、だんだん感覚が変わってきました。

その一見「カッコいい」会社の試算表を、見る回数が増えるにつれてです。

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見た目が大きな会社=儲かっている会社 ではないようです。

特に「飲食・小売・美容」などのチェーン店を経営されている場合。

「規模を拡大する」という一点に限って言えば、これはそんなに難しくありません。

さっぱり儲かっていなくても、ある程度までは大きくなります。

理由は、資金の流れにあります。

これらの業種はクレジットカードの売上を除けば、基本的に現金商売です。

仕入は月末締めの翌月末払い、スタッフ給料も月末締めの翌月払いだとしたら。

売上の入金が経費の支払いよりも先なので、利益0でも一時的に資金ができるのです。

売上が月に200万、経費も月に200万、ただし経費はほぼ全て翌月払いだとしたら。

月末には200万、儲けが0なのに手元に残ることになります。

売上が月に200万、経費が月に300万、ただし経費はほぼ全て翌月払いだとしたら。

大赤字でありながらも月末に200万、手元に残ることになります。

そして、新規店舗出店のための設備資金。

金融機関は運転資金と比べれば設備資金は貸しやすいです。

ですから、まず1号店を出店し。

たとえ利益0で全く儲けが無くても。または赤字であっても。

1号店の売上代金先回収により一時的にたまる運転資金を見せ金にして、

2号店出店のための設備資金を金融機関から引っ張り。

2号店も利益0で全く儲けがなくても。または赤字であっても。

2号店の売上代金先回収により一時的にたまる運転資金を見せ金にして、

3号店出店のための設備資金を金融機関から引っ張り。

3号店も…

これを延々繰り返すことによって。

全く儲けが出ていなくても、赤字であっても、見かけ上規模を大きくすることはできます。

この勢いで5号店くらいまで出したらどうですか。

なんだか「多店舗展開しているカッコいい社長」みたいに見えます。

でも利益は0です。それどころかどの店舗も赤字だったりします。

貸借対照表に上がっている資産、ほぼ全て借入によりまかなっている状態です。

自己資本比率、限りなく0に近くなります。

金融機関の借入枠がいっぱいになって借りれなくなった途端、資金繰りが急速に悪化します。

「そんなバカなことする社長いないよ」と思われるかもしれません。

でも、以前の記事にも書いた、法人税を払いたがらないタイプの社長様。

ほぼ間違いなくこのパターンです。

貸借対照表の資産の部、特に固定資産の部。

店舗内装工事や権利金などが数千万円計上されています。

なのに、資本の部は最初のわずか数百万円の出資額を割り込んでいます。

借りてきて出店、赤字、借りてきて出店、赤字、を繰り返しているのです。

一番恐ろしいのは、それに気づいてすらおられないケースがあることです。

冒頭で書いた理由により、赤字でも目の前には現金があります。

それらは全て経費の未払分なのですが、それにも気付かれません。

試算表すらきちんと作成していなかったり、全く見ていなかったりします。

「多店舗展開しているカッコいい社長」ですから。

その現金でベンツくらい乗らないとカッコ悪いような気がしてきます。

こうなると、もう先は見えています。

「規模」ではなく「利益」を見てください。

全く儲からないのに規模だけ大きくしてしまった会社の経営者様は悲惨です。

とにかく借入が太くなっていますから。

今さら会社を畳んでサラリーマンをしたのでは、一生かかっても返せません。

赤字を垂れ流しながらも辞めるわけにもいかず。

本当にどうにもならなくなってしまいます。

規模を拡大する前に、本当に今の事業は儲かっているのか。

正確な試算表を作成して、毎月チェックなさってください。

手元のお金に色をつけて、きちんと管理なさってください。

もし現金は残っていても実は儲かっていないことに気付いたら。

拡大を考えるのではなく、まずは足元を固めてください。

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