開業したてで、とにかくしなければならないことがいっぱい!
とても経理まで手が回らない!という方に。
せめてこれだけはやっておくようにおすすめしたいポイントです。
事業用のサイフと生活用のサイフを分ける!
「昨年開業したのですが、確定申告、何から手を付けていいかわからないんです」
と問い合わせてこられた方。
「昨年の売り上げはどれくらいでしたか?」
「いや~よくわからないです。」
「実際のところ、どれくらい儲かってる感じですか?」
「いや~全然わからないです。」
こんな風なやりとり、よくあります。
問い合わせてこられた方。別に隠しておられるわけでも何でもありません。
本当にわからないのです。
どうしてこんなことになるのでしょうか。
一言で言えば、「事業のお金と生活のお金を分けていないから」です。
通帳が損益計算書になる
仮に、事業のお金と生活のお金を分けていたらどうでしょう。
お金を分けるということは、当然通帳を別にするわけです。
事業用の通帳に、売上が全部入ってきます。
振込はもちろんですし、現金集金した売り上げも。
とにかく一旦同じ口座にそのまま預け入れます。
経費は全てこの通帳から引き落とされます。
事業用に作ってあるクレジットカードの引落もこの口座です。
現金で支払った経費は、使った分だけこの通帳から手元に補充します。
そして、月に一回、決まった金額。
例えば30万円なら30万円をこの通帳から引き出して。
生活費の通帳に移します。自分への給料、つまり生活費です。
これ以外、この通帳から生活費の支払いはありません。
このようにしていれば。
売上と経費がそのまま通帳に記帳されます。
ページをめくって入金額を足していけば、それがそのまま今期の売上です。
そして、通帳の残高が毎月増えていれば。
「毎月引き出している30万円+その増えた金額」が利益です。
通帳の残高が減っていれば。
「毎月引き出している30万円-その減った金額」が利益です。
もちろん売掛・買掛・未払などのタイミングずれはありますが。
通帳残高が増えているか減っているかを見るだけで。
「今儲かっているのかダメなのか」がだいたいわかります。
事業資金と生活費がごちゃごちゃなケース
一方で、事業資金と生活費が分けられていない人の典型的なパターンです。
現金集金したそのお金を、そのまま飲み代に使ってしまいます。
生活費の引き落とし口座に売上金が入金されます。
クレジットカードは経費も生活費もごちゃまぜで引き落としです。
月一回ではなく、気が向いたときにちょこちょこと通帳からお金を下ろします。
いくら収入があるのかも、いくら生活費に使っているのかも。
何より、いくら儲かっているのかもこれではさっぱりわかりません。
冒頭の会話のような状態になるのも無理はありません。
サイフを分けるのは意外と簡単!
「事業資金と生活費を分けるのが大切なのはわかるけど…それはそれで面倒じゃない?」
と思われるでしょうか。
そんなことはありません。分けなければならないのはせいぜい、
「財布」「クレジットカード」「通帳」くらいです。
私の例で恐縮ですが。
私も自営業者なので事務所のお金と生活費を分けています。
私の普段持っている財布は「事務所の財布」です。
「生活費の財布」は妻が持っています。
ですので普段、経費の支払いは私が、生活費の支払いは妻がします。
私が仕事の帰りにスーパーで野菜を買って帰ったときは。
レシートを妻に渡して「妻の財布」からその金額をもらって私の財布に入れます。
逆に、妻に事務所の買い物を頼んだ時には。
妻から領収証をもらって、「私の財布」からその金額を妻に渡します。
これだけで、常に「私の財布からは経費だけ」「妻の財布からは生活費だけ」
が出金される状態になります。
私の財布にはクレジットカードが2枚入っています。
1枚は事業用で、事務所の通帳から引き落とされる私名義のもの。
1枚は妻名義のクレジットカードの家族カードで、妻の通帳から落ちるものです。
私が仕事で使っている車のガソリンを入れるときなど、経費支払は事業用カードで。
妻の車にガソリンを入れるときなど、生活費の支払いは妻の家族カードを使います。
これだけで、事務所の通帳からは経費だけのクレジット決済が。
妻の通帳からは生活費だけのクレジット決済が引き落とされる状態になります。
もちろん通帳も分けています。
私は基本的にネットバンク決済なので、月初め1回しか銀行に行きませんが。
その時に、毎月必ず同じ金額を引き出して妻に渡します。
事業用の通帳から生活費が出金されるのはこの一回だけです。
小口現金での支払い分もこの時補充します。
特に難しい手間も大変なこともありませんよね。
でもこれだけで、会計データをPCに打ち込まなくても。
おおまかに業績が把握できるようになります。
特に開業したてでいろいろなことに手が回らない時期。
せめてこれだけはしておくことをお勧めします。
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