税理士のHPを見ますと、よく「資金調達支援」を業務内容に書かれていると思います。
どうして税理士は「資金調達」ができるのでしょうか。
勉強しているから?
確かに個人的に勉強はしていますが、税理士試験には「資金調達」「銀行交渉」の科目はありません。
あるのは「会計」と「税法」のみです。
税理士の信用で貸してもらえる?
別に税理士が保証人になるわけでも融資を受けるわけでもありません。
借りるのはあくまでクライアント様ですので関係無いと思います。
ではどうして税理士を通すと話がスムーズにいくケースが多いのでしょうか。
①金融機関との通訳
自分も福岡・北九州地区で。
金融機関との話し合いに立ち会うこと、融資の申し込み用の資料を書くことが多々あります。
そこでの税理士の役割は「通訳」のようなものだと思っています。
経営者様は。
自社の製品に対する思い入れや、従業員を守りたいという情熱ゆえに融資を申し込みます。
どうしてもその点を前面に出して話をしてしまいがちです。
「この商品はこの辺がその辺のものとは全く違うんです!すごい商品なんです!」
「運転資金が足りなくてこのままでは従業員の首を切らなければなりません!
なんとか今回だけでも助けてください!」
熱意を金融機関に伝えられるのはとても素敵なことです。
でも、この話を聞く金融機関とクライアント様の間には大きな気持ちのズレがあります。
自分が貸す側であればどうでしょうか。
貸す側の金融機関が聞きたいのはそのようなことではなく。
要は、「返せるのか返せないのか」の1点なのです。
ですので、上記の話を税理士が金融機関に通訳しますと、
「この商品はこのような点で差別化に成功しています。
価格も従来の商品よりも抑えることができました。
従来の商品がこの地域、このルートで年間○○円の市場規模がありますので、
これこれのルートで売り込めば○○%はシェアが奪えると考えています。
結果、月々の売上は○○円~○○円が見込めますので、
原価、固定費を差し引いても月々○○円の利益が残ります。
今回の借入の返済が月々○○円ですから、十分に返済できると考えています。」
あるいは、
「前期から今期にかけて、○○の要因によって一時的に利益が落ち込み、
運転資金が確保しなければならない水準を割り込んでいます。
もっとも、○○の要因については既にこのような対策が打てましたので、
今後は月々の売上・原価・固定費はこれくらいの水準で推移し、
月々○○円の利益は確保できる見込みです。
現状運転資金が足りませんが、
今回の借入の月々の返済額○○円は利益で十分まかなえるはずです。」
という風になります。金融機関としては話を進めやすいと思われませんか。
②お金にきちんとしている印象
「お金にだらしがない」「お金にきちんとしている」という言い方をすることがあります。
サラリーマンと違って、経営者が持っているお金は全部が自分のお金ではありません。
仕入先への買掛金、従業員への未払の給与、金融機関からの借入金。
得意先からの前受金、納税資金…
手元にあるお金のうちかなりの部分は自分のお金ではなく他人のお金です。
「お金にだらしがない」とは、主に自分のお金と他人のお金の区別がつかないことです。
つまり管理できていないことです。
金融機関はよく「直近の試算表を見せてもらえますか」と聞いてきます。
要はまず「そもそも管理しているのか」というところから気にしているわけです。
自分が貸す側だったらどうでしょう。
「お金にだらしがない」人に貸したくはないですよね。
税理士がついていて毎月試算表を作成している。
「お金にきちんとしている」ということで金融機関は貸しやすくなる面があります。
特に最近では
・「中小企業の会計に関する指針」や
・「中小企業の会計に関する基本要領」
といったルールに基づいて決算書を作成していることで。
さらに「お金にきちんとしている」印象をもってもらいやすくなっています。
資金調達の際にも、是非、税理士をご活用ください。
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