「帳簿?あんまりしてないけど何も言われないよ。」
たまに、起業されたばかりの方でこんな方がいらっしゃいます。
「何も言われない」のではなく、「まだ言われていない」だけかもしれません。
税務調査がなかなか来ない理由
以前の記事でも書きましたように、税務調査は基本的には3年分、まとめて行われます。
(以前の記事 追徴課税の制度~税務調査で脱税がばれると「1.5倍返し!」)
理由はおそらくコストでしょう。
税務調査は税務署員が行います。
その税務署員の日当は税金から出ます。
仮に1年分だけ調査に入りました。
調査対象の選定から実地調査、後処理まで、4日かかりました。
追徴税額が20万出ました。
この税務署員の日当が3万、交通費やその他の経費も引けば。
国としてはせっかく徴収した税金が徴収コストだけで消えてしまいます。
でもたいてい1年分調査して何かまずいことをしているところは、他の年も同じことをしています。
では同じ日程で3年分調査すれば。
各年で20万円ずつ出れば、60万円。
これに加えて悪質であれば重加算税や丸々延滞税も徴収できます。
十分調査徴収コストを引いても残りますよね。
あなたの税務調査はいつやって来る?
では今年平成25年に個人で開業された方。
調査対象の3年分の確定申告書が揃うのはいつでしょうか。
平成25,26,27年分の確定申告が終わるのは、平成28年の3月です。
それからすぐに調査があるとは限りません。
その次の事務年度、平成29年の初めに調査があったとしたらどうでしょうか。
最初の平成25年の時期の処理について、4年後に調査を受けることになります。
帳簿がきちんと保管されていなければどうですか。
4年も前の交際費、誰と行ったお店か覚えていますか。
4年前にいたけど数年前に辞めたアルバイト。
住所氏名生年月日、覚えていますか。
開業当初は税額にも大きく影響する大きな出費が多い時期です。
でも一番バタバタして経理や税務はおろそかになりがちです。
1.2年荒稼ぎして逃げ出すつもりであればともかく。
末長い事業の発展を願って起業されたのであれば。
後から痛い目に合わないために。
きちんと、帳簿をつけることをお勧めします。
創業間もなく、専門家を雇う余裕のない北九州近郊の経営者様。
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