起業して5年後の生存率が半分以下、10年後残っているのは1割…
などと言われている昨今。
不思議なのはそれでも起業する人、そして失敗する人の多さです。
原因の一つは【アドバイスを受ける相手を間違える】ことかもしれません。
聞いてはいけない①【利害関係のない知人・友人】
飲食店でのよくある一コマです。
常連さん:「ごちそうさま!今日も美味しかったよ」
板前さん:「ありがとうございます…」
「実は、自分、今度独立して店を持とうと思っているんです」
常連さん:「本当に!おめでとう!食べに行くからね!」
行き詰まる飲食店、美容室、小売店のオーナーのよく聞くセリフ。
「独立しようかと相談したら、みんな賛成してくれたんです!」
の原因がここにあります。
上の場面で、この流れで。
「やめときなさい!」
「自分の業界の需要と供給のバランスわかってるの?」
「資金はいくら貯めたの?償却後利益で月50万円前後確保できる予算なの?」
なんて返事が返ってくるわけないですよね。
「おめでとう!」「頑張ってね」が普通の返事です。
「相談したらみんな応援してくれた」のではありません。
他人に普通の返事をしただけです。これを真に受けてはいけません。
聞いてはいけない②【あなたが開業すれば儲かる人物】
独立前からお世話になっていた出入りの業者さん、コンサルタントを名乗る人物、など。
何だか業界にも詳しいし、相談するとにこにこして協力してくれた。
出店のための店舗を探してくれたり、内装工事業者の紹介までしてくれた。
初期在庫の仕入ルートの紹介や交渉までしてくれた。
いや~、業界に詳しいプロの専門的なアドバイスを受けられて本当に良かった!
…はずだったのにどうしてうまく行かないんだろう。。。
これもよく聞く話です。
「あなたが開業しさえすれば儲かる人」のアドバイスを真に受けてはいけません。
店舗商売の内装工事や初期費用はあっという間に500万円、1000万円を超えます。
不動産業者との、内装工事業者との、仕入業者との。
間に立って斡旋料を何割か取っただけでも、美味しい仕事だったのではないでしょうか。
その人はあなたが「開業しさえすれば儲かる」のです。
「開業して成功するかどうか」などどうでも良いのです。
むしろ、「開業したところでダメそう」であっても「開業させなければ儲からない」のです。
このポジションの人物のアドバイスを真に受けてはいけません。
そうです、「利害関係がない」しょせん他人ではなく。
あなたが「開業しさえすれば儲かる」人物でもなく。
あなたが「開業し、成功すれば儲かる」人物のアドバイスを聞くべきです。
絶対聞くべき【あなたが成功しなければ儲からない人物】
それは「金融機関」です。
利害関係のない知人がにこにこと「応援するよ」と言ってくれたところに。
「では、すみませんが500万円貸してくれますか?」
と言ってみたら、途端に顔色は変わるはずです。真剣になるはずです。
あなたが失敗すれば、自分も大変なことになるからです。
金融機関は、最初からこのポジションにいます。
あなたが「ただ開業する」だけでなく。
その後「返済を続けられるだけの利益」を上げ続けられなければ。
貸金が焦げ付くのです。ですから真剣に相談に乗ります。
金融緩和の影響で、今、金融機関は皆資金がだぶついています。
貸出先を探しています。
私から見ると、「こんなところにこんなに貸すの?」と思うくらいに簡単に貸します。
「知人も応援してくれる」「コンサルタントの先生も太鼓判」
「なのに金融機関だけが融資を渋るんです、ひどいでしょう?」
というとき。
真面目にあなたがやっていけるかどうかを考えているのは金融機関だけです。
貸したくてたまらない金融機関が、それでも貸せないのです。
ですからその開業には無理があります。
仮に自己資金100%で開業が可能だとしても。
是非、「本当に客観的な意見を聞く」ために。
上手く利用しましょう。
事業計画を作って金融機関に相談に行くことをお勧めします。
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