差額は結局【贈与】扱い~【低額譲渡】に注意!

【相続・贈与】の落とし穴

前回の記事の続きです。

1億円の土地をタダであげてしまうと大変なことになるので。

一応1000万円の値段をつけてやり取りした場合。

どんな課税が行われるか考えてみます。

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【低額譲渡】~結局「時価」でやりとりしたとみなすことは変わらず

前回の「法人と個人の違い」から理屈を押さえてこられた方は。

ほとんど悩むまでもないことだと思います。

利益を上げるために存在しており、損なことはするはずのない【法人】。

1億円の土地を1000万円で売却するはずはないのですよね。

(このように「あり得ないほど安く財産を売却する」ことを「低額譲渡」といいます。)

 

したがって、やはり、この場合も。

まず、時価の1億円で売却したとみなします。

でも、代金を1000万円しか回収しないわけですよね。

差額の9000万円はどこに行ったのでしょう。

 

ここから先は前回の贈与の話と同じです。

相手が役員や従業員であれば9000万円のボーナス扱い。

それ以外の相手であれば、基本的には9000万円の寄付

 

安く譲り受けた側には時価ベースで課税されますし。

安く譲ってあげた側も時価で売ったとみなして課税されてしまうわけです。

贈与の場合とほとんど変わりません。

 

法人の資産を移転するときは【時価】に注意!

このように、贈与税課税逃れを防止するために作られた【低額譲渡】の規定ですが。

では。

全く悪気はなく。

法人の持っている土地を、第三者に売る場合。

いくらで売ったらよいのでしょう。

 

もし、何の悪気もないのにその土地を少し安めで売った場合。

差額に対して片っ端からこの【低額譲渡】で課税されるとしたら。

怖くて不動産の売買なんて誰もできません。

 

ですので、この【低額譲渡】に該当するかどうかは。

現在では時価の1/2以下の取引か否かで判定することになっています。

・時価1億円の土地を6000万円で売却→セーフ!

・時価1億円の土地を4000万円で売却→アウト!

ということですね。

 

ただし、この1/2基準は基本的には第三者に対して売却する場合です。

「法人がオーナー社長に対して」とか、

「資産家の父親が息子に対して」など。

明らかに課税逃れになるケースでは、少し安いだけでも指摘を受けるケースがあります。

資産家の父親が100億の土地を息子に60億で売却。(実質的に40億贈与)

「1/2以下なんだからOKだろう!」で通用していたのでは。

相続税を払う人などいなくなりますよね。

 

さて、こう考えてみますと。

本来は課税逃れをたくらむ良からぬ人を捕まえるための【低額譲渡】の規定ですが。

何も悪気のない人がずいぶん捕まってしまいそうですよね。

 

個人事業主が法人成りしました。

それまで使っていた個人名義の工場を、法人に移転することにしました。

 

法人の規模が大きくなってきたので、分社化して、一部は息子に譲りました。

その息子の会社に、支社の建物を移転することにしました。

 

…こんな何気ないそれぞれのケースで。

実際に、時価との差額で【低額譲渡】の認定を受けて課税されるリスクがあるわけです。

怖いですね。

 

 

ここまで「おおまかな概要をわかりやすく」と意識して。

いろいろと極端な例も交えてさらさらと記事を書いてきました。

次回は、【個人】と【法人】のどのようなやりとりについて、

・贈与のみなし譲渡規定

・低額譲渡規定

のリスクがあるのか、一度きちんとまとめてみたいと思います。

 

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