創業間もない方からのご相談。
「法人を設立したんだけど、自分で申告ってできるものですか?」
できる方もおられますし、できない方もおられます。
経理・簿記・税務の知識、それに割ける時間… できない方の方が多いでしょうか。
でも私は「できるところまでご自身でされる」ことには大賛成です。
そんな風にお答えしますと、必ず、
「自分でできるところまでやってみるので、お勧めの会計ソフトを教えてください」と聞かれます。
そもそも会計ソフトは必要?
たまに、エクセルを駆使して青色申告用の総勘定元帳まで手作業で作成しておられる方がいらっしゃいます。
私から見ると、「そんな時間の無駄を…」と思ってしまいます。
簿記の知識がおありの方はすぐにピンと来られると思いますが、要は会計ソフトは
・仕訳さえ登録すれば、総勘定元帳への転記、残高試算表への集計までを全自動でしてくれる
というのが基本的な機能です。
どんなに安いソフトでもこの機能が無いものはまずありません。
これ、手作業でするとものすごい時間がかかります。
エクセルでも数式を組むのもかなり大変です。
しかも何の付加価値も生みません。
暇で仕方のない人が趣味でするなら止めませんが、開業したばかりの忙しい方のする作業ではありません。
必ず、こんな単純作業はパソコンにしてもらって、本業に集中しましょう。
フリーソフトでも良い?
簿記の知識(3級程度でも可)をお持ちで、パソコンも得意という方であれば良いかもしれません。
・会計ソフト フリー 又は
・会計ソフト 無料
等のキーワードでGoogle検索をかけますと、多数のソフトがヒットします。
フリーソフトと市販のパッケージソフトの違いは何かと申しますと、
・サポートがあるかないか
・定型仕訳等の入力補助機能があるかないか
・分析機能、申告書作成機能等の付加的な機能があるかないか
です。
中には市販ソフト並みか場合によってはそれ以上の機能のあるフリーソフトもあります。
ただ、サポートが受けられるものはまずありませんし、場合によってはマニュアルもないケースがあります。
ですので、フリーソフトでも構わない方は
・サポートが無くてもパソコンにソフトをインストールして初期設定ができる
・仕訳→元帳→試算表の流れを理解していて、その通りになっているか自分で確認できる
・簿記の勘定科目を理解していて自分で設定できる
ことが最低条件です。
開業当初で極力費用をかけたくなければ、この選択肢もあるかもしれません。
ただ、何しろフリーソフトですので。
いつまでダウンロードできるかもわかりませんし、ウィルスがついていたりしたら責任が取れません。
私からお勧めソフトを紹介することは難しいです。
ただ、使えるものは間違いなくあると思いますので、自己責任でお探しになってみてください。
市販のお勧めソフト(法人)
上記の「フリーソフトでも良い方」に当てはまらない方。
こんなことに時間をかけるのは無駄ですので。
是非サポート付きのパッケージソフトを購入なさってください。
わずか数万円で、数日~数週間分の学習時間や設定、入力の時間を買えるのならば安いものです。
たまに、「個人向けのものを無理やり使えませんか?」と聞かれることがあります。
確かに個人向けのものは1万円弱、法人向けのものは2~3万円であれば、差額が惜しい気はします。
でも、たいていの個人向けソフトは、決算期を12月以外に設定できません。
勘定科目は無理やり設定することはできても、こちらはどうにもなりません。
ですので、結論としてはおやめになった方が良いと思います。
以下、自分が使ってみて使いやすいと感じたものです。
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とにかく画面が見やすいです。
毎月発生する決まった仕訳を登録しておく
「仕訳辞書」「伝票辞書」
の登録・呼出もかなり使いやすいですね。
初期設定が簿記未経験者でもなんとか行えるように工夫されていると思います。
ただ、有償サポートは非常に高い気がします。
この記事を書いている平成25年9月時点ではホームページによりますと
・体験版のダウンロードが可能なようですし、
・購入から2カ月は無料でサポートが受けられる ようですので
その間に使い方を覚えてしまった方が良いですね。
会計王(27,000~,33000円)
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画面の見やすさは、私は弥生会計の方が見やすいですね。(人それぞれですが)
ただ、弥生はスタンダードでは部門管理機能がついていません。
こちらはついています。
多店舗や部門別に会計を管理したい方はこちらの方が良いかもしれません。
以前は、弥生会計と比べるとワンランク値段が安かったのですが。
人気が出てきたのでしょうか。最近は相場があまり変わらなくなってきました。
ただ、仕訳辞書の登録は使いやすいのですが。
振替伝票の登録は一度入力画面から離れなければならないので、少し使いにくいかと思いました。
慣れれば大したことは無いかもしれません。
また、こちらはH25年9月現在、ホームページによりますと
・1年間サポートが無償だそうです。
こちらも体験版のダウンロードができるようですので、先に使ってみると良いと思います。
他にもさまざまなソフトがありますが、絶対に譲れない条件として私がお勧めするのは、
・残高試算表の画面で行をダブルクリックするとその勘定科目の元帳が開く
・元帳の画面で行をダブルクリックするとその仕訳が開く
というように、残高試算表からスムーズに仕訳がたどれることです。
まれに、これができないソフトがあります。
以前にそのソフトで記帳しておられた方の申告を請け負ったことがありますが。
本当に使いづらくて仕事になりませんでした。
体験版で、これだけはできることを確認された方が良いと思います。
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