季節資金などで6カ月分割返済の借入をなさったことがおありでしょうか。
600万円借りてきます。毎月100万円ずつ返済です。
ものすごい勢いで借りてきたお金が無くなっていく感覚は冷や汗ものです。
では、100万円の支払いを6カ月貯めて半年後に600万円支払うことが可能なら。
600万円借りてきて6カ月分割返済したのと同じ金融効果が得られるわけです。
A curious girl wonders just how on earth Brussels in April was so sunny… / chantrybee
「100万円を借りてきて支払う。半年後100万円を返済する。」と、
「100万円の支払いを半年延ばす。」は。
資金的には一緒ですよね。
しかし借りてくれば、利息がかかります。
金融機関の貸出枠も使いますので、いざという時には借りにくくもなります。
と考えると、無利息で延ばせる支払は延ばす方が、金融的には有利です。
では、その方法を考えてみます。
無利息資金調達①仕入先・外注先への支払いを延ばす
現在月末締めの翌月15日払の仕入条件で取引している場合。
これが毎月1000万円あるとします。
もしこれを翌々月15日払に1ヶ月遅らせることができたとしたら。
1000万円を事業が続く限り永遠に借りているのと同じことです。
しかも利息はかかりません。
最近では2013年7月に、超大手パナソニックが。
主な資材メーカーをいっせいに集めて、購入代金の支払期限をなんと30日間!
延長してほしいと要請したことがニュースになりました。
確かに手っ取り早い上に効果も絶大な「資金調達法」ではありますが。
やはり取引先からの信用失墜などを考えますとそう簡単にはできません。
無利息資金調達②クレジットカード決済を利用する
従来現金払い、もしくは銀行引き落としにしていた支払。
クレジット決済にした場合、支払タイミングはどうなるでしょうか。
多くのカード会社は末締めであれば翌月27日、あるいは翌々月4日。
締め日から丸1ヶ月前後のタイムラグがあります。
仮に毎月口座引き落としで支払っていた支払が100万円ある場合。
全てクレジット決済の1回払いにするだけで。
100万円、永遠に借り続けているのと同じ金融効果が得られるわけです。
仕入先や外注への支払いを遅らせるのと違い、信用にキズもつきません。
無利息資金調達③納期の特例を利用し、半年支払いを貯める
(源泉所得税・住民税特別徴収)
こちらも、クレジットカードと同じく。誰にも迷惑をかけない資金調達です。
給与の支給人員が10人未満でないと使えませんが。
社長・親族の役員報酬が高額だったり、乙欄支給の役員さんがいる場合。
月々の源泉税・住民税もそこそこの金額になります。
納期の特例で半年ごとの納付にした場合。
全く合法的に、支払を半年無利息でため込むことができるわけです。
しかも、最近では。
税務署も徴収手続の簡素化の為、なるべく半年ごとの納付にしてほしいそうです。
支払をため込んでるのに喜ばれる。こんなこと、あまりありません。
無利息資金調達④仮決算で中間納付を半年パスする
(後半追込型企業の場合)
決算期の前半。季節変動で業績は思わしくなく。ほとんど利益は出ず。
後半、稼ぎ時がやってきて後半追込みで利益を計上する法人の場合です。
法人税・消費税の中間納付。
前期実績で申告すると前期確定額の半分は半期で支払わなければなりません。
しかし仮決算、現在利益0円で申告すれば。
どのみち本決算で支払うとはいえ、半年支払いを延ばせます。
消費税も同様に、0円にはならないとしてもある程度延ばせるでしょう。
無利息資金調達⑤利益先送り決算対策で法人税の支払を1年延ばす
税法の規定の中には、数年間通算すれば経費の総額は変わらなくても。
早く経費に落とすことのできる有利規定がいくつもあります。例えば、
・減価償却における特別償却
・短期前払費用の特例
・売上計上の割賦基準
などなどです。
これらにより、経費を前倒しで計上することで。
来期以降に回るとはいえ、今期の納税額を少なくすることで。
その差額分は無利息で1年借りてきたのと同じ金融効果を得ることができます。
このように支払サイトを延ばすことで。
無利息で借りてくるのと同じ効果のある方法を考えてみました。
でも、この方法、実はお勧めできない社長様もおられます。
これは、支払いが遅くなっているだけで、決して減っているわけではありません!
ですので、目の前にお金があればとりあえず使ってしまうタイプの社長様。
おそらく、あっという間に使い切り、そのタイミングで支払が来て資金ショートしますので。
経費は全て発生の都度現金でお支払いになり。
残った分でやりくりされることをお勧めします。
そうでない方も。必ず毎月試算表をきちんと作成なさってください。
お金に色を付けて、利益として残っているお金、支払が延びて残っているお金。
ご自分で把握できるようになさることをお勧めします。
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