【消費税軽減税率】の落とし穴①8%、10%の区分ミスは大変なことに!

【速報!】税制改正ニュース

平成31年10月。

ついに消費税が10%に引き上げられるとともに。

日本で初めて8%と10%の二段階税率。いわゆる「軽減税率」が始まります。

あとほぼ一年、カウントダウンが始まっているところですが。

皆さま、対策はお済でしょうか。

私も自分なりに、気を付けていきたいポイントをまとめてみました。

(かなり長いので連載にします。)

売上の「8%」「10%」間違いは大変なことに!

消費者の側からすると。

「8%」「10%」のたった2%の違いなんて。

ほとんどどうでも良い誤差の範囲に思えますが。

事業者の側はそれどころではありません。

 

おそらく、スタートで処理を間違えれば。

その企業はそのままずっと突き進んで、時々見直したりはしないはずです。

仮に10%取引になる売上を、ずっと8%で処理し続けていたとしたらどうなるでしょうか。

 

例えば売上高1億円前後の、主に家族で経営しているような中小企業であれば。

毎年売上高の2%、つまり約200万円を過少申告し続けることになります。

 

1億円前後の売上高の中小企業…

毎年残る利益はどれほどでしょうか。

この企業が3年分、税務調査で加算税延滞税まで含めて追徴されたら。

…これが原因で潰れる可能性が、十分ありますよね。

 

売上高が10倍の企業であればこの10倍。

100倍の企業であれば100倍のリスクがあるわけです。

 

「8%」「10%」の区分は簡単じゃない!

「でも、それだけ大きな問題なのだから、国がきちんとルールを作って。

間違えようがないように、してくれているんでしょう?」

というのが普通の感想でしょう。

全くそんなことはありません!

 

ヨーロッパでは50年以上も前からこの消費税複数税率。

いわゆる「軽減税率」が制度として定着しています。

それでもいまだに「これは軽減税率の対象になるか、ならないか」を巡って。

裁判が絶えません。

 

・食品は軽減税率にしましょう→どこまでが食品ですか?

・外食は普通税率にしましょう→どこからが外食ですか?

・図書は軽減税率にしましょう→電子書籍は良いのですか?

 

何かの範囲を決めれば、必ず境目ができます。

時代が変われば、その境目前後に新しいものがまたできてきます。

そのたびに、課税庁と納税者が無駄な争いをしなければならなくなるわけです。

 

ヨーロッパの国々が50年かけても解決できないような制度を。

なんと今から日本は導入するわけです。

当然、無数のトラブルが起きることも。

実際にこれが原因で潰れる企業が出ることも覚悟しなければなりません。

 

今できることは、せめて今決まっている範囲だけでもしっかり把握して。

自社が無駄なトラブルに巻き込まれないよう自衛することだけです。

 

すでに国税庁から通達やQ&Aが出ています。

・国税庁 軽減税率制度 通達

・国税庁 軽減税率制度 Q&A

この中から気を付けたいポイントを、次回以降の記事で解説します。

 

~連載記事【消費税軽減税率の落とし穴】~

①8%、10%の区分ミスは大変なことに!

②どこからが食品?

③どこからが外食?

④どこまでが出前?どこからがケータリング?

⑤税理士泣かせ…導入後4年間は特例に注意!

 

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