【消費税軽減税率】の落とし穴②どこからが食品?

【速報!】税制改正ニュース

「飲食料品」全体が軽減税率8%の対象になることとなりました。(もちろん酒は除きます)

「生鮮食品だけにしよう!」という意見が採用されなかったことに少しほっとしています。

どこからが加工食品なのか…などと言い出したら、それこそキリがありませんでした。

でも、「飲食料品」といっても、やはり境目の怪しいところはあります。

食べれるけれど他の用途にも使えるものは?

例えば重曹

お掃除に凝っておられる主婦の方は風呂掃除などにも使われますよね。

入浴剤や医薬品の原料にもなるそうです。

でもこれ、食べられますよね。

食品添加物としてベーキングパウダーなどにも使われていますから。

では重曹を販売するとき。

消費税は8%ですか?10%ですか?

 

例えばひまわりのタネ

少しおしゃれなミックスナッツとかシリアルなどに入ってますよね。

普通に食べられます

でも、畑にまいてひまわり畑を作るための種苗としても売られますよね。

ハムスターやインコのエサとしても売られますよね。

ではヒマワリのタネを販売するとき。

消費税は8%ですか?10%ですか?

 

食べ物になる前の豚や魚は?

昔「ベイブ」という子豚の映画で。

人間を信じ切っていた純粋な子豚のベイブに意地悪な猫が。

人間が豚を食べることを教えてしまうシーンがありました。

「人間はね、“ポーク”を食べるのよ。“ピッグ”と呼ばれるのは生きている間だけなの」

意地悪な猫の思惑通り、ベイブはショックでシクシク泣きながら出ていくのですが…

 

さて、消費税軽減税率の話。

食品は8%、ですよね。“ポーク”が8%なのは間違いなさそうです。

では、食肉用に買われている“ピッグ”は?

養豚業者さんがよそから子豚を仕入れて育てる場合のその仕入れは?

“ピッグ”も“ポーク”も8%で良いのでしょうか?

 

生け簀に入って泳いでいる魚。

当然あの魚も生きている状態で市場からやってきたわけですよね。

では、その市場からの仕入れは8%?10%?

回答:「食品表示法に規定する食品」が8%

「飲食料品」という、わりとわかりやすそうな区分でも。

やはり落とし穴はありますね。

 

ですが、この点についての国税庁のQ&Aは明快です。

 

「飲食料品」とは、食品表示法に規定する食品

(酒税法に規定する酒類を除きます。)です。-国税庁Q&A

 

「食品表示法」に規定されているもの。

それにのっとって販売されるものが食品、ということですね。

 

ですから、重曹やヒマワリのタネ。

食品表示法にのっとって、食品として販売されていれば8%。

工業用や種苗用として販売されていれば10%。

それをそのあと買った人がむりやり食べたとしても、

そのあたりは事業者としては感知しないということです。

 

そして豚や魚。

食品表示法では「食肉」は

(単に切断,薄切り等したもの並びに単に冷蔵及び凍結させたものを含む。)

となっていますが、「水産物(魚、貝など)」は

(むき身,単に凍結させたもの及び解凍したもの並びに生きたものを含む。)

となっています。

 

食品表示法上は、豚は切断等された後からが食品、魚は生きていても食品、

ということのようですね。

 

ですから生きている豚の譲渡は食品ではないので10%

生きていても魚は食品なので8%、が正解のようです。

 

食品表示法を確認すればわかるとはいえ。

やはりややこしいですね。

 

~連載記事【消費税軽減税率の落とし穴】~

①8%、10%の区分ミスは大変なことに!

②どこからが食品?

③どこからが外食?

④どこまでが出前?どこからがケータリング?

⑤税理士泣かせ…導入後4年間は特例に注意!

 

 

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