改正が決定されるずいぶん前から話題になっていた相続税の基礎控除額の引き下げについてです。
従来は相続人が奥さんとお子さん2名であれば、相続財産が8,000万円以下なら相続税はかかりませんでした。
しかし平成27年以降は相続財産が4,800万円以下でなければ相続税が発生することになります。
Always the business man. / Matt Erasmus
基礎控除額
改正前…5000万円+(法定相続人の数×1000万円)
改正後…3000万円+(法定相続人の数×600万円)
多くの場合増税には何らかの減税が抱き合わせで法案として出てきます。
今回の相続税増税にもやはり減税がセットでついてきました。
居住用宅地の適用面積が240㎡から330㎡に拡大、しかも事業用宅地と合わせて730㎡まで適用可能に
相続税が課税されるような遺産がおありの方の大半は、その中で不動産が大きな割合を占めていることと思います。
でも例えば相続財産が息子に継がせる店の土地建物のみ。
この土地の値段が上がっていて評価額数億円!
などということになったら、息子さんは相続税を納税するために泣く泣く店を売りに出さなければなりません。
このようなことが無いように、亡くなった方が住んでいた自宅の土地や、仕事用に使っていた土地。
これらについては、評価を最大80%減額しますよ、という特例がこの「小規模宅地等の特例」です。
今回の改正で居住用宅地の適用面積が拡大されました。
さらに、従来は居住・事業合わせて400㎡であった上限面積。
これらがそれぞれ限度いっぱいまで使えるようになり合計730㎡まで利用できるようになりました。
さて、今回の改正で得をするのは誰かと考えてみると…
・自宅と別に事業所を持っていて、
・両方とも100坪クラスの土地を自前で所有している、
・しかも相続人が承継要件を満たす人
ですね。
逆に言えば、相続財産が大きく、相続税対策が必要な方。
このパターンなら優遇される、というパターンがあらかじめわかっているわけですから。
可能な限りこのパターンにはめた財産配分をしておくことで相続税を軽減できますよね。
個人事業主様や中小企業の経営者様の生前の相続対策として。
「自宅と事業所の不動産の取得」が今までよりも大きなウェイトを占めることになりそうです。
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